マクローリン展開を用いたバーゼル問題の解法に関するメモ(その1)
まず,をマクローリン展開する。
の導関数はいずれものとき1になるから,
(剰余項は0に収束するおなじみの形)
が自然数のとき,この式は二項定理の展開式そのものである。が自然数でないときは無限級数となり,二項定理における指数を実数(実は複素数でもok.)の範囲に拡張したものと考えることができる。
Combinationはもともと組合せの演算子なので,上式における係数を
と表す。すると,上の式は
となる。
これを用いて,をマクローリン展開すると
よって
得られた式を項別積分すると,
となる。に適当な有理数を代入すれば,の近似値を直接計算することもできる。
次回はこのArcsinの級数展開を用いてバーゼル問題に取り組んでみる。
補遺としてとの関係について確認しておく。
まずの導関数は
逆に,の原始関数を積分で求めるならば,とおけば,が得られる。