2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその3【第1問〔3〕】

第3回です。小問ひとつに記事ひとつのペースなので,先は長そうです。解くだけではなく解きながら考えたこととか,思いついたこととかをそのつど添えているので,ご了承ください。そういう意味では,もし需要があるとすれば試験を終えた受験生より,高1・2生や趣味程度に嗜みたい方向けだと思います。

 

それでは第1問〔3〕です。おなじみの文字定数入り2次関数ですね。正攻法で解いていきましょう。

手始めに頂点の座標です。 f(x) の式を平方完成して,

\displaystyle f(x)=ax^2 -2(a+3)x-3a+21 \\ \displaystyle =a\left( x-\frac{a+3}{a}\right) ^2 -\frac{(a+3)^2}{a}-3a-21

となるので,頂点の  x 座標  p

\displaystyle p=\frac{a+3}{a}=1+\frac{3}{a}  です。

サ:1,シ:3 が入ります。

続いて, 0 \leqq x \leqq 4 において最小値が  f(4) となるのは,下図(ア)の通り軸が定義域より右側にあるときです。

f:id:tak119:20180125211600j:plain

よって \displaystyle 4 \leqq 1+\frac{3}{a} であり,これを解いて  a \leqq 1 となります。問題文冒頭の「 a を正の実数」も合わせて  0 \lt a \leqq 1 です。

ス:1 となりました。

ちなみに,軸が定義域内のときは最小値は  f(p)(上図イ),定義域より左側にあるときは  f(0) (上図ウ)です。 a\gt 0 なので軸 \displaystyle x=1+\frac{3}{a}\gt 1 となり,後者は今回除外されます。 

と思ったら次の問題がその話でした。最小値が  f(p), つまり頂点となるのは  \displaystyle 0 \leqq 1+\frac{3}{a} \leqq 4 のときです。  \displaystyle 0 \leqq 1+\frac{3}{a} a\gt 0 より成り立ち,\displaystyle 1+\frac{3}{a} \leqq 4 はすでに逆向きの不等式を上で解いているので, 1\leqq a はすぐに導けます。

セ:1 です。

 

最後に,最小値が1となる場合についてですが,上の2つの場合で「(最小値)=1 」をそれぞれ解けばよいですね。

 f(4)=1 を解くと

 \displaystyle 16a-8(a+3)-3a+21=1 \\ 5a-4=0 \\ \displaystyle a=\frac{4}{5}

また f(p)=1 を解くと(はじめの平方完成の式から)

 \displaystyle -\frac{(a+3)^2}{a}-3a+21=1 \\ (a+3)^2 +3a^2 -21a=-a \\ 4a^2 -14a+9=0

で,これを解いて

 \displaystyle a=\frac{7+\sqrt{13}}{4}

(解答欄がすでにプラスの方で定まっていますが,念のため。マイナスの方は  \sqrt{13}\gt 3 なので  \displaystyle \frac{7-\sqrt{13}}{4} \lt 1 で条件を満たしません。)

ソ:4,タ:5,チ:7,ツテ:13,ト:4 となります。

 

やっと第1問が終わりました。今後はもうすこし簡潔にいこうと思います。