18きっぷの旅　その2 - じゃおずにできた

2010年3月2日(火)　(2日目)

　ネットカフェを朝7時に出て，前日地下鉄からでは取得できなかった伏見エリアまで歩く。どうせなら中村区役所方面へも行けばよかった。あらためて名駅の駅ビルを見上げる。延べ床面積日本一のビル。来年の春には大阪駅北口に日本最大級の駅ビル街ができるらしいけど。

　電車の発車時刻まで朝マックでまったり。ハッシュポテトが好きすぎてたまらない。明日も食べよう。名古屋駅で18きっぷの2日目の押印をしてもらい，8時16分，名古屋発亀山行きに乗る。akira710と合流。しばらく近鉄名古屋線と並走。そういえば弥富駅って日本で一番標高の低い駅だった。停車したときは思い出していなかったので特に血が騒ぐこともなかった。木曽川を渡り，三重県に入る。俗に言う桑名カーブが面白い。それにしても近鉄の路線がJRにぴったりくっついているのが面白い。首都圏でもここまでぴったりなのは京急本線と西武新宿線の一部分だけ。主要都市を結んでいるにしても，沿線がたいして発展しているわけでもなく，畑や住宅がちらほら点在する程度なのでなおさらそそる。そういえば三重県は初めてだった。路線の立地的に海も山も見えるので，静岡県みたいな感覚だった。

　亀山駅に到着。乗り換えで20分ほど時間があったので郵便局に寄るなどする。かなり山の中に入ってきた感じがする。忍者が出てきても景観的にはおかしくないと思った。
　亀山駅からはJR西日本の管轄。乗り換えた電車が面白い。亀山から次の乗り換え駅の加茂までは非電化区間なので，パンタグラフといったものがない。しかも単行(一両編成)。加速するときのエンジン音がすごい。関西本線という名とのギャップがまた面白い。勾配もかなりきつくなってきて，駅の間隔も退屈するほど広くなってきた。やがて京都府に入る。都としての京都もいいけれど，北の天橋立とか南の木津川渓谷といった自然も京都府のもつ魅力だと思う。木津川と並走しながら，渓谷を縫い進む。
　笠置駅を過ぎて木津川市に入ってすぐのところに，笠置町の飛地がある。この境界線が非常に気持ち悪い。形からみると等高線に沿って笠置町側の入会地が線引きされているようである。以前から地図でこの場所を見て興奮していたので，実際にこの場所を通りかかれるのを思い出し楽しみにしていた。実際に通ってみると（路線は飛地自体には入らないが，すぐ近くを通過する），何の変哲もない山なのでまぁそんなもんか，と思うと同時に，こんなどこにでもある風景に脳内で線を引いて悦に浸る。
　加茂駅からは大和路快速が出ているので，1時間ちょっとで大阪に着ける。奈良の町並みに，中学校の修学旅行を思い出す。大和郡山付近は街から少し離れたあたりを通るので，畑の中にぽつぽつと現れる集落が何か懐かしさを感じさせる。
　大阪府に入ると，いよいよ街らしくなってきた。住宅の間をおかまいなしに快速列車が通りぬける。京急といい勝負。大阪市に入ってからコーナン（ホームセンター）が見えた。うち(横浜)から徒歩10分ほどのところにもある。大阪にもあると知ってなんか親しみがわいた。
　大阪駅に到着。そういえば大阪も初めてだった。初めての地は五感で受け止める。都会の空気，喧騒，人の波。うんやっぱり都会だ。お昼を回っていたので駅でうどんを食べる。うす味だったような気もするけど特に関東との違いは感じなかった。
　akira710と別れてしばらく単独行動。念願の阪急電車に乗る。まずは宝塚へ。京都線，宝塚線，神戸線が同時に大阪駅ホームを出る。ほぼ同時に次の中津駅に着く。十三からはそれぞれの方向に分かれる。面白い。おもしろすぎる。この光景は今ではそう珍しくないらしい。でも同一車両が3本も同発するとか関東ではありえない。さすが私鉄大国。
　十三を過ぎると三国駅。aikoの曲で名が知れたあの三国駅。降りようと思ったけど快速だったので通過した。それから先は繁華街の真ん中を道路沿いに地上とフラットに進む。中央線の中野あたりの風景に似ている気がした。池田から先はあまり面白くなかった。早く宝塚に着かないかなと思うなどした。

　宝塚に到着。今津線に乗り換える。今日の最大の目的はこれ。念願の今津線乗車を果たす。すばらしい。あずき色の阪急の車両といい，線路沿いの町並みといい，自分の中の住みたい街のイメージの一つにぴったりと合う。有川浩の『阪急電車』のストーリーを思い出しつつ，一緒に乗り合わせた人を勝手に登場人物に置き換えながら，妄想する。普段何気なく横断歩道ですれ違ったり，同じ車両に乗り合わせたり，お互いが気にしあうことのない文字通り赤の他人。でもひとりひとりがそれぞれのストーリーを持っている。偶然なのか，はたまた運命なのか，誰かの物語の1ページにひょんと現れる。そんな出会いをいつかしてみたいと思った。
　西宮北口に到着。いったん改札を出てまた入り，そのまま同じ車両で引き返す。というのは，JR福知山線にも乗ってみたかったから。最終的に大阪駅に戻るつもりだったので，今津線への異様な愛着も加味して，往復乗車することにした。当たり前だけれど往路と何も変わらない風景。そんなことに安心した。景色が変わっていないことにではなく，その景色を見て自分の中で感じるものがさっきと同じことに。いつかまたこの電車に乗った時に，風景はある程度変わっていても，今日と同じ気持ちになれたらいいと思った。旅は二度目が一番好きだ。初めてでもない，慣れ親しんだものでもない，人でいえば蜜月のような感じ。だから今日が初めての大阪にはまた来たいと思うし，一度行ったことのある京都を明日訪れるのをとても楽しみにしている。
　再び宝塚に着き，JR福知山線で大阪へ向かう。例の脱線事故が起きた現場を見てみたかった。現場付近に差し掛かると，心なしか座席を通じて伝わる車輪の振動が重々しくなったような気がした。あのマンションは今でも残っている。電車は走り続ける。フランジの擦れる音は消えていく。それでもこの場所には，何かが時間軸から離れてとどまっているような気がした。
　そういえばとっくに兵庫県に入っていた。京都より西はどこも初めてなので，今日の昼以降，行く先々はすべて初めての場所。こんな新鮮さも旅の大きな醍醐味のひとつ。
　本日最初のゲスト，じゅんと待ち合わせていた大阪駅へ戻る。「道に迷う」という言葉には2つの意味がある。自分がどこにいるのかわからない。自分の位置も，さらには相手の位置も把握しているが落ち合えない。前者はただの方向音痴である。後者は普段から地図を穴があくほど見慣れているような地理オタクでもどうしようもない。原因はどこか別の場所にあると思う。携帯電話で連絡をとりつつもなかなか出会えない。いくら自分は迷ってなどいないという自負があろうと，ここは動かない方がいい。という判断も結果的に賢くはなかった。20分くらいウロウロしてようやく二人は出会う。

　ヨドバシカメラの上でお茶しながらしばらく二人でまったりと過ごす。チーズケーキが好き。抹茶はまぁまぁ好き。というわけで抹茶チーズケーキ。どちらの風味も引き出てていいね。ヨドバシカメラで携帯の充電機用の乾電池を買う。写真を撮ったり，電車の時刻を調べたり，位置取得をしたり（電池消耗の最大の要因）するので早い時は昼間に電池が残り少なくなることもある。1日目もそうだったけど夕方は常に充電中。ネットカフェなどに着けばちゃんとした充電機が使えるが，それまでは乾電池タイプの充電機でしのぐ。結構消耗が激しかったので，10本ほど買い足す。
　なんだかんだで気付けば日が暮れていた。流れ的に大阪のわさらーとワイワイすることになった。場所との出会い，人との出会い，今日も両方を満喫できた。やっぱりアルコールは何人かで飲むのが一番楽しい。一人でも，大人数でもなく。余談だが，談笑する中でキャベツとレタスの区別ができていないことが判明した。ちゃんと考えれば分かるかもしれない。でもそんなことをいちいち考えなければ見分けられないのは，世の中の主婦の皆さんから笑われる。そんなこんなで今日はsytohのお家に泊めてもらうことになった。旅人にとってはこれほどありがたいことはない。後で出費表をつけて改めてそのありがたさをひしひしと感じる。帰り道でスーパーに立ち寄ってキャベツとレタスを見分けるお勉強をした。sytohハウスでは一緒にいたずばえと3人で吹奏楽トークで盛り上がるなどした。ずばえと布団を共にして寝た。いつの間にか掛け布団を独占されていて，春先の寒さで目が覚める。
　3日目は京都。そこまで綿密には計画を立てていなかったし，大阪からはそう遠くないので，sytohに甘えて朝遅くまでまったりした。お風呂まで入れてもらった。

　2日目の記録はここまで。あまり写真を撮っていなかったことがわかった。<お会いしたわさらー>
（akira710，）じゅん，sytoh，ずばえ，きよんど，umq，諭吉<取得したDoCoMo iエリア（重複除く）>
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[交通費]
阪急宝塚線
（梅田〜宝塚） \270
阪急今津線
（宝塚〜西宮北口） \180
（西宮北口〜宝塚） \180
阪急京都線
（梅田〜上新庄） \180