2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその1【第1問〔1〕】
お久しぶりです。数年ほったらかしていたら,いろいろと仕様が変わっていました。
感覚を取り戻しつつ,先日実施された大学入試センター試験の数学の問題を扱っていこうと思います。解答を導き出しながら,思ったことや考えたことなどを書き連ねていくつもりです。長くなりそうなので大問もしくは小問ごとに記事を区切ります。
それでは,第1問〔1〕からいきます。
いきなり6次式ですね。相変わらず数学が苦手な受験生をふるいにかけるつもりでしょうか。ただ,この先出てくる計算自体は高々2次式なので,指導要領としては合法なようです。
まずは展開の計算です。素直に分配していけばいいのですが, はひとかたまりのままのほうがよいです。すると
となって,アに入るのは5となります(久しぶりにTeX書きました。けっこう覚えていてよかった。あとMathjaxっていうのが実装されたんですね。ところが複数行数式の等号ぞろえがうまくいかん。&がコマンドとして認識されない!)。
この展開ですが,数学IIの知識があれば, についての恒等式であることがわかるので, を代入して, の部分を消去して計算することもできます。
次に, とおいてAを表します。Xが上の展開式に を代入したものであることを見抜きましょう。すると,他の因数部分も作ることができます。
を代入すれば
を代入すれば
となり,Aの因数をすべて表すことができました。したがってイが6,ウエが14です。今度は のまとまりでみるとよいのですね。
さて,最後に のときですが,下手に探らずに に代入すれば と求められます。よって, となります(オ:2,カ:8)。
突然 なんて出てくるとびっくりしますが,ちゃんと意図した数値になっているんですね。
そもそも というのが,言ってみれば「のとき,数直線上の点 と0,5それぞれとの距離の積」 を表しています(下図参照)。
ということは,ちょうど真ん中が なんですね。だから代入したとき,ちょうどルート部分の符号が入れ替わっただけの数値との積になります(ちょうど真ん中から 分だけずれる,と考えてください)。それでめでたくルートが消えて有理数(どころか今回は整数)として値が出てくるのですね。なんとなく,数学IIの解と係数の関係にもつながるかな,という気もします。
1小問だけで結構長くなったのでここでひと区切りとします。