2013年3月 静岡の旅【2日目】<大井川鉄道>
※この記事は2013年3月に実施したものを記録したものです。本文中の内容や写真等に含まれる情報は当時のものであり,現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
2013年3月10日(日) 2日目/2日
今日の目的はただひとつです。大井川鉄道線(正式には「鐵」道)に乗ります。山間を走る,場所によっては急勾配の区間を牽引して進むので,乗りとおすには半日がかりです。その分,ゆっくりと満喫したいと思います。
大井川鉄道について
大井川鉄道は金谷駅から出ています。東海道の宿場で知られています。隣の島田とは距離は近いものの,大井川を隔てているので難所だったと伝わっている場所です。今では橋が何本も架けられて行き来は簡単になり,金谷町も合併により島田市の一部となっています。
距離感がつかめるでしょうか。特に北の方は地形に沿って曲がりくねっているので,地図で見るよりも距離があります。全線で65キロあります。昨日乗った天竜浜名湖鉄道とほぼ同じ長さです。
といっても,山岳路線なので速度は遅く,時間もかかります。下の行程を見てもらうと分かりますが,比較的平地を走る本線部分の金谷~千頭間が39.5キロで73分,それに対して本格的な山岳地帯になる井川線の千頭~井川間が25.5キロで111分です。平均の速さにすると,本線が時速32.5km,井川線が時速13.8kmです。今では観光路線ですが,本来はダム建設などのために敷かれた路線だそうです。境遇が黒部峡谷鉄道に似ていますね。
金谷駅は切符を買う旅行客であふれていました。1日乗車券の大井川・アプトラインフリーきっぷを買います。価格は4,200円です。高いと思うかもしれませんが,山間部の観光路線という特殊な路線なのでそんなところでしょう。なお,普通運賃だと片道だけで3,130円かかります。
※現在では4,400円だそうです。フリーきっぷにもいろいろ種類があるようなので,詳しくは当鉄道のページをご覧ください。
越すにまた越す 大井川
本線の終着地,千頭(せんず)駅に到着です。ちょうどイベントの日で,いつもに増して人が多いようでした。
千頭からは,アプト式の車両になります。ラックと呼ばれる歯型のレールが線路の間にあって,車両側の歯車と噛み合わせて進んでいきます。急勾配を走るための方式で,日本ではこの井川線と,在りし日の信越本線横川~軽井沢間で採用されています。
車両はかなり小型です。レールの軌間は1067mmに改軌されたものの,トンネル等は762mm時代の規格のままなので,あまり大きくできないそうです。
最後まで大井川に沿って走るので,車窓からは川の流れがよく見えます。谷側からはいくつも沢が流れていて,合流地点では水の色の違いがはっきりとわかって面白い光景でした。
途中,アプトいちしろ駅で連結があります。ここから長島ダム駅までは電化区間で,先頭に電気機関車を連結して進んでいきます。
各駅の表示板には標高が書かれています。アプトいちしろ駅は396メートルです。それが1.5kmほど進んで隣の長島ダム駅になると,
485メートルと,100メートル近く登ったことになります。車窓からも,先のレールがかなりの上り坂になっているのが見えました。
さらに進むと,少し面白い駅に到着します。奥大井湖上駅といって,名の通り長島ダムにより造られた湖にせり出したわずかな陸地にある駅です。アクセスしにくい駅ではないのですが,立地的に秘境駅の様相を醸し出しています。
その秘境たる場所ゆえに,ここで降りる乗客がたくさんいました。湖上の橋は歩道も併設されていて,遊歩道がつながっています。
この辺りは長島ダムの建設によって水没した地域で,かつての井川線ももっと低い場所を走っていました。その遺構が湖畔沿いに見える場所があります。
山も深くなってくると,トンネルのほかに沢を渡る陸橋もたくさん現れます。その中でも,関の沢橋梁という橋は,谷底からの高さが70メートルという高さです。列車が低速運転(もともと遅いのですが)してくれたので,車窓から下の景色を撮ってみました。
写真だと高さが実感できないかもしれませんが,ずいぶんな場所を走っています。木々で地面は見えないものの,その木の先端でさえずっと下の方にあります。
お昼を回って,ようやく終点の井川駅に到着しました。千頭駅のような建物もにぎわいもなく,本当に山の中という感じです。沢を駆け落ちる水の音が響きます。雪解け水でしょうか。
少し歩くと,井川ダムが見えてきます。かなり大きいダムで,奥には湖が広がっています。
ダムの上は道路になっていて,渡ることができます。私道ではなく集落を結ぶ県道の一部です。堰堤を渡るとすぐトンネルになっています。
自分の知っているところだと,山奥といい,ダム湖といい,奥只見ダムの風景によく似ています。ひとつ違うのは,ここが静岡市内ということです。こんなところも政令指定都市です。しかも平成の合併前から市内に含まれています。以前から興味深かったのですが,静岡県の中央部のとんがりの部分,南アルプスのところですが,全部静岡市なんですね。
湖畔は土が見えているので,この時期の水位は比較的低いみたいです。
ダムのほとりには,資料館があります。ちょっと寄ってみることにしました。ダムの仕組みの説明展示のほか,もともとはダム建設に使われていた井川線のアプトの模型も展示されています。
湖に沿って少し歩くと,遊覧船乗り場がありました。冬季は運休していますが,観光線としてだけでなく,湖の奥にある井川の中心部を結ぶ渡し船も運航されています。山間部となると,地形に合わせてあらゆる交通手段が必要となることがわかります。鉄道は金谷につながっていますが,モータリゼーションの波は強く,ここが静岡市に含まれたのも道路網の影響が大きいようです。
駅前には食堂もあって,お昼をとることができました。テレビを見ると,ちょうど東日本大震災から2年になる前日だったので,『花は咲く』という曲が流れていました。以前訪れた東北のことを思い出してみたり,この地域も土砂崩れなどで何度も災害にあっていることを考えてみたり,旅愁も相まって,いろいろと物思う時間でした。
さて出発の列車の時間が近づいてきました。井川線は本数が少ないので,当初の予定では,12時22分到着後すぐに折り返し12時46分の列車で戻るつもりでした。ところが,列車に並行してバスが走っていることが分かりました。
乗ったのは1本後の13時44分発の列車ですが,次の閑蔵駅で降りると,バスの乗車場所があります。このバスに乗ると,1本前の列車と同じくらいの時刻に千頭に着くことができます。
このおかげで,井川でゆっくりすることができました。さらに,このバスは大井川鉄道が運行しているので,今日使っているフリーきっぷで乗ることができます。ストイックな乗り鉄の中には,上下線とも列車に乗る!という人もいると思いますが,自分は極力その地域の雰囲気にも浸りたいタイプなので,列車とバスの半々になりました。
ただ正直なところ,登山列車に比べるとバスの快適さは否めません。あのアプトで走る急勾配や高い場所からの眺めをもう一度体感してみたくはあったのですが,バス・列車それぞれのおいしいところを味わったということで。
千頭に着いたのは2時半過ぎで,ピークは過ぎたようですがイベントの余韻でまだまだ賑わっていました。井川ではほとんど一人だったので,こうして人がたくさんいるとちょっとほっとします。まぁ夜には横浜の人ごみに紛れることになるんですけどね。
しばらくすると,SLが構内に入ってきました。実は大井川鉄道は,SLを現役でどこよりもたくさん走らせている会社なんです。あと,きかんしゃトーマスもたまに走っています。バラエティ豊富でいろいろな人が楽しめる鉄道だと思います。
金谷行きの列車までもう少し時間があったので,大井川を散策してみました。雪解けの時期とはいえ,まだ流量は少ないようで,河原まで降りることができました。夏には全部川になるのでしょうか。
ダム湖もいいですが,水を寄り近くで感じられるという意味では,この場所もとてもリフレッシュできます。川原にひょうたんが落ちていました。実物を見るのは初めてかもしれません。
いよいよ千頭とも別れの時間です。さっきのSLがまだ停まっていましたが,乗るのは普通の車両です。
半日ずっと山の中にいるのもいいものですね。帰りの東海道線の風景すらも新鮮に思えました。
まとめ:長いだけじゃないのよ静岡は ハッハーン
金谷を5時前に出て,横浜に着いたのが8時半なので,それにしても静岡は長いですね。今回は東西の長さも南北の長さも体感することができました。面積的には格段に広いわけではないですが,山あり海ありの日本の縮図のような地域です。また関東と関西を結ぶ場所にあり,文化的にも日本の要素が詰まった場所ということで,統計的な調査では静岡県が標本に選ばれることが多いと聞いたことがあります。(18きっぷで通過してばかりでなく)ちゃんと訪れてみると,なかなか魅力の大きい県だと思います。
【記録】(JR線は18きっぷ使用,大井川鉄道線はフリーきっぷ使用)
<行程>(JR線は18きっぷ利用)
上島746---(遠州鉄道線 150円)---757新浜松/浜松810---(JR東海道本線・熱海行)---850金谷914---(大井川鉄道本線)---1027千頭1031---(大井川鉄道井川線)---1222井川1344---(大井川鉄道井川線)---1403閑蔵1410---(路線バス)---1440千頭1525---(大井川鉄道本線)---1637金谷1650---(JR東海道本線)---1843熱海1859---(JR東海道本線・東京行)---2027横浜
<新規乗車区間>
合計 65.0 キロ
2日間合計 96.8+65.0=161.8 キロ
2013年3月 静岡の旅【1日目】
※この記事は2013年3月に実施したものを記録したものです。本文中の内容や写真等に含まれる情報は当時のものであり,現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
今度の記事は,静岡に行った時の旅行記です。ちょうど5年前の同じ日だったんですね。今回も鉄道の乗りつぶしが目的のひとつではありますが,伊豆急線や飯田線は以前乗っています(下記リンク参照)。
鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷの旅2010 1日目(前半) - じゃおずにできた
鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷの旅2010 2日目 - じゃおずにできた
ということで,まだ乗っていないケーブルカーや大井川鉄道など,自然も満喫できる路線がメインになります。
また,JR線の移動は例によって18きっぷのお世話になりました。この旅行で2回分を使って,残りの2回は 2013年4月 東北 の時に,最後の1回は新潟への帰省に使いました。
実は,静岡県内のJR線はすでに完乗しているので,新規乗車区間はありません。18きっぷで乗るJR線は,各地の私鉄に乗るための移動にすぎません。乗り鉄根性から言うともったいない気もするのですが,私鉄だけに的を絞った今回の行程はずいぶんとラクです。普段通過ばかりしている静岡県ですが,今回はいろいろなスポットをゆっくりと探訪することができました。
2013年3月9日(土) 1日目/2日
境界線フェチ,山の頂上で境界線を跨ぐ
横浜駅を朝7時半に出発です。これまでは,朝イチで乗りつぶしを始められるように夜中の移動が多かったですが,目的地がお隣の県なので,スタートもゆっくりです。東海道線で熱海まで向かいます。
熱海からは,鉄道ではなくバスに乗って,山へ向かいます。十国峠というところにケーブルカーがあるので,それに乗ります。
乗り場のレストハウスは,登山客の休憩所であるほか,箱根方面へのドライブウェイの中間地点でもあるので,車も人もたくさんいました。
ケーブルカーの運賃は往復で420円でしたが,現在では720円になっているようです(ケーブルカーのサイトで650円のクーポンをダウンロードできます 箱根 十国峠ケーブルカー)。
2015年に値上げしたんですね。
十国峠ケーブルカー、運賃値上げを申請 | レスポンス(Response.jp)
さて,3分ほどで頂上に到着しました。尾根の部分なので,見晴らしは最高です。
実はこのスポット,個人的にも熱狂できる要素を持っています。山の頂上,ということでお察しの方もいるかもしれませんが,ちょうどこの峠が熱海市と函南(かんなみ)町の境界になっているんですね。
境界標もちゃんと設置されています。というか本来は二等三角点なのですが,標の前と後ろで2つの自治体名が刻まれています。
景色がよくて非常にすがすがしい気分になったので,展望台で販売していたソフトクリームなんて食べちゃいました。朝食も早かったのでちょうどおなかのすく時間です。
30分ほどの滞在でしたが,十分リフレッシュできました。一緒に来た他の人はみんな登山道へ進んで行きました。
頂上側から見ると,勾配がいっそう急に感じられます。斜長が300メートルほどで,標高差が約100メートルだそうです。
麓のレストハウスはお土産が充実していました。
静岡生まれ,新潟育ちの2人組
熱海に戻った後は,清水まで行きます。清水~静岡間は,静岡鉄道という私鉄も走っているので,今回はこちらに乗車します。
JR清水駅から静鉄新清水駅までは,少し歩きます。周辺はいかにも海沿いという感じがします。雰囲気が直江津に似ている気がしました。
写真の写りがよくないですがご容赦ください。当時はまだガラケーでした。あとこの日はかなり天気が良くて,日差しも強かったです。
この静鉄に乗ったのは,乗りつぶしの他にもうひとつ目的があります。終点の新静岡まで行かずに,途中の狐ヶ崎駅で降りました。駅名は狐ヶ崎ですが,所在地はというと……,ちょっと歩くと電信柱に書かれた住居表示が見えてきました。
知る人ぞ知る,新潟発の兄弟デュオ,平川地一丁目の由来となった町名です。今でこそ解散していますが,2003~08年にメジャーで活動していたので,覚えている方もいると思います。地元なので自分はずいぶん初期のころから知っているのですが,知名度としてはどれほどなのでしょうか。
ちなみに,平川地は彼らが新潟に越してくる前に住んでいた場所だそうです。なお,グループ名は「ひらかわち」ですが,地名は「ひらかわ"じ"」です。あと一丁目は存在せず,彼らが住んでいたのは住居表示の1番地だと思われます(上写真参照)。
何かがあるわけではないですが,一度訪れてみたい場所なので寄ってみました。
終点の新静岡駅もJRの静岡駅とは少し離れていて,歩いて連絡することになります。でも静岡県の中心地ということもあって,都会の駅ビルどうしを渡り歩く感じです。
再び東海道線で浜松へ向かいます。今日の最終目的地は浜松なのですが,その前にもう2本私鉄を乗りつぶす計画です。それにもかかわらずいったん浜松に寄ったのには,これまた鉄道以外の別の目的があります。
浜松といえば餃子,だけでなくて,バイクのホンダとか,ピアノのヤマハの本拠地でもあります。目的は後者の方で,駅前には楽器博物館があるんですね。1日のうちに自分の趣味に2つも浸れるなんて,贅沢もひとしおです。
開館時間が17時まででしたが,1時間ちょっとでも十分に楽しめました。もちろん時間が許せば1日中いたかったです。オーケストラの定番楽器だけでなく,世界各地の民族楽器も数多く展示されています。ピアノにいたっては,初期のチェンバロから改良の歴史を追えるようになっています。館内は博物館にしては珍しく撮影可能なのですが,残念ながら写真を残していませんでした。自分にとっては生で見られる価値が大きかったようです。
入館料は当時400円でしたが,2016年4月から800円に上がったそうです。それでもまた訪れる価値はありますね。
境界線フェチ,平地で境界線を再び跨ぐ
楽器博物館に閉館ギリギリまでいたあとは,浜松から乗りつぶし再開です。次は,静岡県の西端,新所原駅まで行きます。
新所原駅からは天竜浜名湖鉄道が出ています。もちろんこれに乗るわけですが,乗り換え待ちの間にちょっと寄り道します。「西端」といったらここも例のスポットですね。
今度は県の境界です。愛知県豊橋市と,静岡県湖西市の境界が,この駅の近くを走っています。しかも,川の中とか山の上ではなく住宅の間というおいしいスポットです。
境界を示す看板が離れて建っているのと,目印になるようなサインがないのですが,地図を見る限りおそらく上の写真の路肩が境界だろうと思われます。道の両側で車のナンバーも違っています。
あと,交通標識もひとつの目印になります。よく境界線で舗装が変わっていたりしますが,このように制限速度や通行区分が変わっていたりするのも自治体が違うということを示唆しています。この場所は県自体が異なるのでなおさらですね。
駅に戻ってきたころには,もう日が暮れていました。景色は楽しめませんが,浜名湖のほとりをぐるっと回っていきたいと思います。
浜松市内(大合併したので本当に全線市内です)には遠州鉄道線が走っているので,最後に乗りつぶします。その前に松屋で夕飯。餃子は食べません。宇都宮だったら餃子屋に行きます。個人的な嗜好ですみません。
浜松駅に戻って,最後の乗りつぶしです。終点は西鹿島駅で,さきほど乗った天竜浜名湖線の途中駅でもあります。この遠州鉄道線と,天竜浜名湖線の東西どちらか半分の区間を自由に乗車できるフリーきっぷがあるようですが,乗りつぶしには不向きですね。
そのまま引き返して,上島駅で降ります。近くの国道沿いにネットカフェがあるので今日はそこで宿泊です。
今日は熱海から新所原まで,静岡の端から端までを横断した行程でした。明日は静岡県の真ん中で,どちらかというと縦に移動します。
【記録】
<行程>(JR線は18きっぷ利用)
横浜738---(JR東海道本線)---902熱海918---(伊豆箱根バス・箱根関所跡行 620円)---956十国峠登り口1000---(十国峠ケーブル 往復420円)---1003十国峠1035---(十国峠ケーブル)---1038十国峠登り口1105---(伊豆箱根バス 620円)---1140熱海1147---(JR東海道本線・沼津行)---1202三島1208---(JR東海道本線・島田行)---1302清水(徒歩)新清水1314---(静岡鉄道・新静岡行 130円)---1319狐ヶ崎1345---(静岡鉄道 250円)---1401新静岡(徒歩)静岡1422---(JR東海道本線)---1533浜松1723---(JR東海道本線・豊橋行)---1747新所原1831---(天竜浜名湖鉄道 1280円)---2043掛川---(JR東海道本線)---浜松/新浜松---(遠州鉄道線 460円)---西鹿島---(遠州鉄道線・新浜松行)---上島
<新規乗車区間>
伊豆箱根鉄道 十国鋼索線 十国登り口~十国峠 0.3 キロ〔完乗〕
静岡鉄道 静岡清水線 新清水~新静岡 11.0 キロ〔完乗〕
天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線 新所原~掛川 67.7 キロ〔完乗〕
合計 96.8 キロ
2012年7月 名鉄線を2日で乗りつくしてみた【2日目】
※この記事は2012年7月に実施したものを記録したものです。本文中の内容や写真等に含まれる情報は当時のものであり,現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
乗りつぶし2日目です。名鉄だけでなく,愛知県内の未乗区間すべてをつぶしていきます。
まずは行程をご覧ください。1日目に続き極力乗りつぶしに特化したスケジュールですが,最後のほうは余裕を持たせています。
※実際には,上小田井から先で計画を変更しました。詳しくは本編をご覧ください。結果,名古屋港駅まで予定よりも1時間近く短縮できました。
【記録】(会社名・金額のないものは名鉄線,フリーきっぷ使用)
名電各務原535---(各務原線急行)---553名鉄岐阜557---(本線急行)---629新羽島636---(羽島線)---658笠松706---(本線空港特急・中部国際空港行)---714名鉄一宮739---(尾西線)---747玉ノ井750---(尾西線)---759名鉄一宮813---(尾西線)---846津島855---(尾西線)---906弥富919---(尾西線)---947須ヶ口951---(本線急行・豊川稲荷行)---1005神宮前1010---(特急・豊橋行)---1023知立1035---(三河線)---1109猿投1115---(三河線・知立行)---1122梅坪1124(豊田線)---1223上小田井1227---(犬山線・東岡崎行)---1238名鉄名古屋
<当初の予定>
名鉄名古屋1243---(本線急行)---1302名鉄一宮/尾張一宮1339---(JR東海道本線・豊橋行 230円)---1351枇杷島1357---(東海交通城北線 430円)---1413勝川1423---(JR中央本線・名古屋行 180円)---1429大曽根1439---(瀬戸線)---1508尾張瀬戸1519---(瀬戸線準急・栄町行)---1522新瀬戸/瀬戸市1526---(愛環線 270円)---1536八草1542---(リニモ 360円)---11559藤が丘1604---(地下鉄東山線・高畑行)---1615本山1618---(地下鉄名城線)---1629平安通1633---(地下鉄名城線)---1635大曽根1640---(ゆとりーとライン 240円)---1653小幡緑地1657---(ゆとりーとライン 240円)---1710大曽根1715---(瀬戸線準急)---1721栄町/久屋大通1727---(地下鉄桜通線)---1757徳重1806---(地下鉄桜通線・中村区役所行)---1820新瑞橋1826---(地下鉄名城線)---1832八事1835---(地下鉄名城線)---1852金山1900---(地下鉄名港線)---1911名古屋港1916---(地下鉄名港線)---1933栄1936---(地下鉄東山線)---1953高畑(徒歩)荒子2007---(あおなみ線 260円)---2024金城ふ頭2030---(あおなみ線 350円)---2053名古屋
2012年7月15日(日)
各務原を出発して,岐阜へ向かいます。以前は岐阜市近郊を中心に名鉄の路線も多くあったのですが,廃止されてしまいました。
岐阜からは本線で愛知県へ戻りますが,その途中でひとつ路線を乗りつぶします。東海道新幹線の岐阜羽島駅に連絡している新羽島駅へつながる路線です。規定上は竹鼻線と羽島線という2本の路線ですが,運行上は直通しています。
一宮からは,愛知県西部を縦断している尾西線という路線に乗ります。一宮を境に南北に分かれているので,まずは北側へ向かいます。
一宮駅のホームが,名古屋駅にもある「同一線上のホームを分割共用」している形で,それに気づかずあやうく乗り逃すところでした。
北川の終点は玉ノ井という駅です。お酢とは関係ないようです。
南側の終点は弥富駅です。JR関西本線,近鉄名古屋線の駅と隣接しています。この辺りは濃尾平野のいわゆる「海抜ゼロメートル地帯」で,弥富駅は地表面の標高が最も低い駅として知られています。が,3社のどこが最も低いかで決着がついていないのか,それほどアピールされていないようでした。
この先しばらく写真がないのですが,弥富からは津島線経由で本線に戻り,昨日未乗だった知立までの区間をつなぎます。これをもって本線は名古屋~一宮間を残すのみとなりました。この区間はぐるっと回ってきたあとで乗りつぶします。
知立からは三河線で猿投(さなげ)まで行きました。知立から南半分が昨日乗った区間,今日は北半分です。猿投駅より先にも以前は路線があったのですが,廃止された区間です。
ここから少し戻って梅坪から豊田線に乗ります。この路線で名古屋市方面に戻ることができます。この電車,地下鉄鶴舞線,その先の名鉄犬山線と直通しており,一本で名古屋市内を横断できます。
名鉄と名鉄の間に地下鉄が挟まっているので,フリーきっぷだと地下鉄区間分の運賃を払わなくても乗れてしまう……のですが,さすがに気が引けるし,後で地下鉄の乗りつぶしもするので,あらかじめ地下鉄の一日乗車券を買っておきました。前記事でも書きましたが,土日の利用だと600円で購入できます。
この先は,名古屋まで戻り,名鉄本線で未乗だった一宮までの区間をつぶす予定でいましたが,一宮でのJRへの接続が悪かったので,名古屋からJRで隣の枇杷島駅まで行きました。なぜJRかというと,枇杷島駅から東海交通事業の路線が出ているので,それに乗るためです。全線高架の高規格路線です。
終点は勝川駅で,JR中央本線と連絡しているのですが,300メートルほど離れています。駅はこの先延伸する予定があるような造りで,ちょっと中途半端な感じが否めません。
JR線で大曽根まで移動して,次は瀬戸線に乗ります。終点の尾張瀬戸から引き返して,新瀬戸駅で愛環線の瀬戸市駅と連絡できます。そこから八草駅まで乗り,万博のときに話題になったリニモで再び名古屋へ戻ってくるルートです。
名古屋と東部地域を結ぶ路線は,名鉄瀬戸線,豊田線,リニモとあって,それを愛環線が縦につないでいる形になっています。ルート選定には結構苦労した部分ですが,ようやくこれでひと通り乗りつぶすことができました。
リニモは地下鉄東山線と互いの終着駅藤が丘で接続していて(駅は別で直通していません),地下鉄の乗りつぶしも少し兼ねて,瀬戸線に乗った大曽根駅まで戻ります。ちょうど1周してきた形ですが,大曽根駅からはもう1本乗らなければならない路線があります。
ガイドウェイバスといって,車両はバスなのですが,専用レーンが溝になっていて,バスの進行方向を誘導するような仕組みになっています。軌道法の適用を受けている路線なので,鉄道として乗りつぶしに含めました。
終点の小幡緑地から先は,バスは一般道に降りて,一般のバス路線を走ります。乗り鉄はここで目的が達成できるので,引き返します。
大曽根に戻ったあと,瀬戸線の未乗区間を乗って栄まで出て,しばらく地下鉄の乗りつぶしです。桜通線の端っこや名港線のような盲腸線区間と,名城線の未乗区間をつぶしていきます。
そのあと,名古屋に戻り,名鉄本線一宮までの未乗区間を乗りつぶしました。この区間は本数が多いので,いつでも乗れると思い後回しにして正解でした。乗り換え待ち時間が節約できたので,当初の予定よりも1時間近く早く進められました。
これにて,名鉄線制覇です。444.2キロを2日で乗りつくしたわけですが,他の路線に乗ったり,重複して乗った区間もあるので,距離としては感覚があまりつかめません。ともかく,これでだいぶ肩の荷が下りたので,残りの乗りつぶしも気楽に進めていきます。
予定が早く進んで,名古屋在住のお知り合いの方とも合流できました。ちょうど夕飯時でもあったので,名古屋駅太閤口前の松屋で夕飯を食べました。
残りは2路線です。名古屋から地下鉄東山線で終点の高畑まで行き,名古屋地下鉄も乗りつぶし完了です。高畠駅からは,近くを走っているあおなみ線荒子駅へ歩いていきます。
あおなみ線終点の金城ふ頭駅ですが,近くにリニア鉄道館があるので,時間があればまた寄りたいところです。
往路は小荒から乗りましたが,帰りはそのまま名古屋に戻ることができます。名古屋から往復するより,ルートも運賃も節約できました。徒歩ワープというのも案外使える手段です。
これにて,あおなみ線も完乗,ひいては愛知県内の全路線の乗りつぶしが完了しました!今回は特にゆっくり立ち寄るような場所もなく,乗りつぶしだけのための旅でしたが,大きな目的が無事遂行できたのでよかったです。記事を書きながら,当時の若さに羨んでいます。今やろうとしたら,気力的にも体力的にも厳しいでしょう。
この日は名古屋市内でもう一泊して,翌朝帰路につきました。たぶんバスで帰ったんだと思いますが,記憶にも記録にもありません。実は2日目に名古屋に泊まったということも,下の写真(7月16日朝6時半撮影)からわかったことです。
2日間のルートは以下のようになります。岐阜県内で宿泊するという条件付きでこのような行程になりました。今見返すと,豊田市・瀬戸市・名古屋市あたりの路線を1日目に乗って名古屋周辺で泊まり,北部は2日目に回した方が効率が良かったかもしれません。そう考えると愛環線は乗りつぶしにはネックですね。
【新規乗車区間】(路線ごとに掲載)
<名古屋鉄道>
神宮前~知立 19.1 キロ
羽島線 江吉良~新羽島 1.3 キロ〔完乗〕
名鉄一宮~弥富 25.3 キロ〔完乗〕
大曽根~栄町 4.6 キロ〔完乗〕
小計 172.7 キロ 〔完乗〕
<名古屋市営地下鉄>
東山線 藤が丘~本郷 1.3 キロ
名古屋~高畑 6.6 キロ〔完乗〕
八事~新瑞橋 3.5 キロ〔完乗〕
新瑞橋~徳重 7.3 キロ〔完乗〕
小計 44.9 キロ〔完乗〕
<東海交通事業>
小計 11.2 キロ〔完乗〕
<愛知高速鉄道>
東部丘陵線 八草~藤が丘 8.9 キロ〔完乗〕
小計 8.9 キロ〔完乗〕
小計 6.5 キロ〔完乗〕
荒子~名古屋 4.3 キロ〔完乗〕
小計 15.2 キロ〔完乗〕
私鉄合計 259.4 キロ
2日間合計 380. 9+259.4=640.3 キロ
(うち私鉄 343.8+259.4=603.2 キロ)
2012年7月 名鉄線を2日で乗りつくしてみた【1日目】
※この記事は2012年7月に実施したものを記録したものです。本文中の内容や写真等に含まれる情報は当時のものであり,現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
乗りつぶし第一主義で行程を立てる
今回の掘り出し旅行記は,名鉄線を乗りつぶしたときの記録をつづろうと思います。名鉄は全路線の総延長が400kmを越える大手私鉄ですが,それを2日で制覇しようという企みです。あわよくば,ついでに愛知県内の鉄道も乗りつくしてしまおうということで計画しました。
どれくらい時間をかけたか忘れましたが,なにせJR線と違って紙の時刻表が手に入らないので,路線図と時刻表サイトを駆使して予定を立てました。とにかくスタートの名古屋駅から,できるだけ経路が重ならないようにたどっていきます。場合によっては経路がダブっても時間的に早い部分もあるかもしれません。そんなこんなで試行錯誤した結果導き出した解をまずはご覧ください。
【記録】(会社名・金額のないものは名鉄線,フリーきっぷ使用)
名鉄名古屋547---(犬山線急行・名鉄岐阜行)---618犬山626---(小牧線)701平安通704---(地下鉄名城線・名古屋港行 260円)---720金山730---(犬山線準急・内海行)---736大江748---(築港線)---751東名古屋港754---(築港線)---757大江807---(常滑線急行・河和行)---814太田川817---(空港線特急)---836中部国際空港847---(空港線特急・名鉄岐阜行)---906太田川914---(河和線急行)---948河和957---(河和線特急・名鉄名古屋行)---1004富貴1011---(知多線)---1028内海1037---(知多新線・金山行)---1059知多武豊(徒歩)武豊1108---(JR武豊線区間快速・名古屋行 480円)---1138大府1148---(JR東海道本線快速・豊橋行)---1151刈谷1154---(三河線)---1222碧南1227---(三河線)---1259知立1303---(本線・東岡崎行)---1309新安城1322---(西尾線急行)---1355吉良吉田1401---(蒲郡線)---1431蒲郡1443---(JR東海道本線快速 320円)---1455豊橋/新豊橋1500---(豊橋鉄道渥美線 510円)---1535三河田原1547---(豊橋鉄道渥美線 510円)---1622新豊橋/駅前1634---(豊鉄市内線 400円)---1651運動公園前(徒歩)赤岩口1720---(豊鉄市内線・駅前行)---1741駅前/豊橋1745---(本線特急・名鉄岐阜行)---1752国府1800---(豊川線)---1812豊川稲荷1824---(豊川線準急・名鉄一宮行)---1907新安城1917---(本線・東岡崎行)---1925岡崎公園前/中岡崎1938---(愛環線 220円)---1943岡崎1948---(愛環線 850円)---2050高蔵寺2054---(JR中央本線快速・瑞浪行 570円)---2103多治見2017---(JR太多線・岐阜行)---2141美濃太田2201---(JR太多線・多治見行 180円)---2208可児/新可児2214---(広見線)---2225御嵩2229---(広見線)---2240新可児2300---(広見線)---2319犬山2334---(犬山線・名鉄岐阜行)---2345名電各務原
現在はダイヤ改正などで変わっていると思いますが,乗りつぶしを検討している方は参考にしてください。なお,
・朝6時から日付が変わるまで乗りっぱなし
・ホームが離れていても乗り換え時間は最短で設定
・駅間が数百メートル離れていても歩いて連絡
・トイレ・飲食休憩は考慮しない。コンビニのおにぎりでもほおばってろ
・行程的に早く進める場合は,多少運賃がかかってもJRを利用
など,本気で乗りつぶししようとする人以外にはお勧めできない行程です。
また,1日目の宿泊地は各務原のネットカフェです。ホテルがよいという人は最後の電車を終点の岐阜まで乗って,駅前で探してください。
個人的な都合で,以前に乗車済みの区間は今回省いてあります。
・JR東海道新幹線,東海道本線,中央本線,関西本線,高山本線
地下鉄については,2日目の最後にオプションで乗りつぶすことも可能と思われます。
ところで,名鉄は「名鉄電車全線2DAYフリー切符」というのを4,000円で販売しています。今回の目的にぴったりのアイテムを用意してくれているなんてありがたい限りです。モンキーパークや明治村などの施設の割引がついているようですが,もちろんそんな特典を使う余裕などないです。
あと,2日目は地下鉄にも多く乗るので,こちらも一日乗車券を購入しました。平日だと740円ですが,日曜日だったので600円のドニチエコきっぷが使えます。ちなみに市バスにも乗れます。
それでは, 実際に乗りつぶしの様子を追っていきましょう。今回の記録写真はほとんど駅標ばかりですのでご了承ください。
2012年7月14日(土)1日目/2日
名古屋までは夜行バスを使いました。横浜駅前を0時過ぎに出て,名古屋に朝5時半に到着する便です。今回は私鉄の乗りつぶしだし,夏休みシーズン前なので18きっぷの出番もないんですね。
さて名古屋からまずどっちへ向かうかですが,チェックポイントがひとつあります。築港線といって,総延長1.5キロの短い路線なのですが,朝と夕方しか運行がありません。これを逃すと面倒なので,優先的に行程に組み入れます。
ただし,あまり朝早く行っても仕方ないので,築港線が動く時間まで,北方面の路線を乗りつぶしておきます。犬山線で犬山まで行き,小牧線で戻ってくるルートです。
小牧線は地下鉄上飯田線と直通していて,終点の平安通で地下鉄名城線に乗り換えられます。名城線で金山まで行って,名鉄に復帰するルートです。ちょうど名城線が名港線直通だったのですが,名港線まで乗りつぶしていると築港線に間に合わなかったのでしょう。後回しにしています。
築港線は川崎の鶴見線のような感じで,利用者はほとんど臨港の工場従業員と思われます。貨物線とほぼ90度で平面交差する場所もあるので,時間があればゆっくり沿線を散策したい路線でもあります。
築港線をクリアした後は,一気にセントレアまで向かいます。ここの路線は空港アクセス線なだけあって,特急がたくさん走っていて快適です。普通運賃で乗れるのもいいですね。
空港の滞在時間は10分ほど,すぐに引き返して知多半島を南下します。この先は河和線と知多新線の2本に分かれています。下調べの結果,河和線→知多新線の順に乗るのがベターだったようです。
さて,知多半島にはもう1本線路が走っています。JR武豊線です。こいつも乗りつぶします。名鉄河和線で引き返す途中,知多武豊駅で降りて,JR武豊駅へ歩いて連絡します。
名鉄とJRの駅は少し離れていますが,300メートル程度です。ちょうどよく武豊線の列車に乗ることができました。
終点大府駅から東海道線で2駅先の刈谷駅まで行きます。ここからまた名鉄に乗り換えます。
刈谷~碧南間は三河線の南半分の区間ですが,盲腸線のため,碧南からはそのまま折り返すしかありません。昔は吉良吉田まで路線が延びていたのですが,それでも一筆書きは無理なルートです。
復路は,刈谷の先の知立駅まで行って,本線を少しだけ経由して新安城駅から西尾線で吉良吉田方面に抜けます。序盤は特急でグングン進んでいたので,ここだけで2時間近く費やしてしまうのがもったいなく感じます。
吉良吉田からはそのまま蒲郡線が出ています。蒲郡からは再びJR線を経由して,豊橋まで行きます。
豊橋では名鉄とはしばらくお別れして,他の私鉄を乗りつぶしていきます。まず渥美半島方面に伸びている豊鉄渥美線です。終点の三河田原駅の先にある車止めは,レールをぐにゃっと曲げたタイプのやつです。
豊橋に戻ったら,駅前から出ている路面電車に乗ります。途中で路線が分かれているのですが,接続が悪かったので,まず一方の終点まで行き,そこから歩いてもう一方の終点まで行きました。
この路面電車,貸切りのビール列車なんてのを運行しているんですね。車内で酒盛りができるみたいです。
日が暮れてきましたが,まだまだ乗ります。再び名鉄に戻って,豊川線に乗ります。時間的には並走しているJR飯田線を使った方が早いのですが,名鉄本線との分岐点までを乗りつぶすために,往路も名鉄で行きます。
そのまま引き返して,本線へ戻ります。ここが特に乗りつぶしならではの経路になるのですが,未乗区間をつぶすために,いったん新安城まで行き,引き返して岡崎公園前まで戻るというルートです。計画の時に,二度書きしてでも1日目のうちに乗っておくか,2日目に回すかで検討したのだと思います。
岡崎公園駅は,愛知環状鉄道線の中岡崎駅と隣接しています。ただし途中の駅なので,ここでもいったん岡崎駅まで行き,改札を出て切符を買い直し,もう一方の終点高蔵寺駅まで向かいます。
名鉄線でないのでフリーきっぷが使えないし,第3セクターなので運賃がちょっと高めです。ここから先,JR線にも乗るので少し出費がかさんでいます。
高蔵寺からはJR中央本線で,多治見まで行き,太多(たいた)線に乗り換えます。美濃「太」田と「多」治見を結んでいる路線ですが,これまで乗る機会がなかったので今回の行程に含めました。夕方には静岡県に近い豊橋にいたのに,今はもう岐阜県内です。
この太多線も,いったん終点の美濃太田駅まで行き,引き返して可児駅で降ります。可児駅に隣接する新可児駅からは名鉄広見線が通っています。
終点の御嵩駅で引き返して,復路は新可児駅から先の犬山駅まで行きます。ちょうど朝の初めの折り返し地点ですね。犬山線は名鉄の路線が4方向に延びていますが,ここはうまく重複なく乗りつぶすことができました。
日付も変わろうとしている頃,1日目の最終目的地各務原につきました。駅の近くにあるネットカフェで夜を明かします。この各務原線は岐阜まで行くので,最初に書いたように岐阜での宿泊も可能です。
1日目の行程としては以下のようになります。誰が査収してくれることやら。
【新規乗車区間】(路線ごとの掲載)
<名古屋鉄道>
犬山~新鵜沼 1.9 キロ〔完乗〕
常滑線 神宮前~大江 3.8 キロ
大江~常滑 25.5 キロ〔完乗〕
知多新線 富貴~内海 13.9 キロ〔完乗〕
新可児~犬山 14.9 キロ〔完乗〕
小計 271.5 キロ/444.2 キロ(61.1%)
<名古屋市営地下鉄>
小計 3.6 キロ
<豊橋鉄道>
東田本線 駅前~井原~運動公園前 4.7 キロ
赤岩口~井原 0.7 キロ〔完乗〕
小計 23.4 キロ〔完乗〕
<愛知環状鉄道>
中岡崎~岡崎 3.4 キロ
中岡崎~高蔵寺 41.9 キロ〔完乗〕
小計 45.3 キロ〔完乗〕
<JR東海>
小計 37.1 キロ
1日目合計 380.9 キロ(うち私鉄線 343.8 キロ)
ドイツ語の不規則動詞を整理してみる vol.4【まとめ,その他】
ひと通り幹母音での分類ができたので,もう一度整理しておきます。同じ幹母音の中でも,語尾などでパターンが分類できるものもありました。
幹母音 ei
①ei-ie-ie
原則として(以下同様),-en, -ben, -gen, -hen, -nen, -sen のもの。
②ei-i-i
-chen, -fen, -ßen, -ten, のもの。
幹母音 ie
ie-o-o
幹母音 i
①i-a-o
-mmen, -nnen のもの。
②i-a-u
-nden, -nken, -ngen のもの。
幹母音 e
①e-a-o
幹母音 e が短母音のもの。
②e-a-e
-chten, -llen, -lzen, -schen のもの。または,幹母音 e が長母音で,現在形の母音変化が起こらないもの。
③e-o-o
-ssen のもの。または,幹母音 e が長母音で,現在形の母音変化が起こるもの。
幹母音 a
①a-ie-a
②a-i-a
③a-o-o
②a-u-a
次に,幹母音で分類しなかったものをまとめておきます。既に取り上げたものもあれば,初めて出てくるものもあります。ウムラウトしているものや,例が少なすぎるもの(幹母音 u )が該当します。
○-a-e
bitten「頼む」 bitten-bat-gebeten
liegen「置いてある,横になっている」 liegen-lag-gelegen
sitzen「座っている」 sitzen-saß-gesessen
ei-ie-ei
heißen「~という」 heißen-hieß-geheißen
○-o-o
lügen「嘘をつく」 lügen-log-gelogen
trügen「欺く」 trügen-trog-getrogen
verlöschen「消える」 verlöschen-verlosch-verloschen
o-ie-o
stoßen「突く」 stoßen-stieß-gestoßen
u-ie-u
最後に,少し特殊なものを挙げておきます。
混合型
規則変化のように過去形が -te,過去分詞が ge-t となるにもかかわらず,幹母音も a に変化するパターンです。
brennen「燃える」 brennen-brannte-gebrannt
bringen「持ってくる」 bringen-brachte-gebracht
denken「考える」 denken-dachte-gedacht
kennen「知っている」 kennen-kannte-gekannt
nennen「名づける」 nennen-nannte-genannt
rennen「走る」 rennen-rannte-gerannt
senden「送る」 senden-sandte-gesandt
幹母音が e または i で,語尾が -nnen のものが多いです。が,rinnen などは i-a-o のパターンであり,こういう形の動詞がすべて混合型というわけではありません。数は多くないし,よく使う動詞なのでそのまま覚えてしまうのがよいと思います。
過去分詞 -en 型
過去形は規則的に -te となりますが,過去分詞は ge-en となるパターンです。つまり,過去分詞の語尾が -t とならず,現在形にそのまま ge- がつくような形です。幹母音が変化するものも若干あります。
backen「焼く」 backen-backte(buk)-gebacken
mahlen「粉を挽く」 mahlen-mahlte-gemahlen
melken「乳を搾る」 melken-melkte(molk)-gemolken(gemelkt)
salzen「塩を加える」 salzen-salzte-gesalzen
schinden「酷使する」 schinden-schindete-geschunden
spalten「割る」 spalten-spaltete-gespalten
こうしてみると,食に関する動詞が目立ちます。昔から生活に根付いている動詞なのでしょうか。詳しくは分かりませんが,この例外的な変化は古ドイツ語の名残なのかもしれません。
ようやくすべての不規則動詞をまとめることができました。今回の分類や考察は完全に個人の私見ですので,もっとよい分類や異なった見解があれば教えてください。
ドイツ語の不規則動詞を整理してみる vol.3【幹母音 e, a】
今回は幹母音が e と a の動詞です。よく使う動詞が多くみられます。今回の動詞は,過去形・過去分詞だけでなく,現在形でも主語によって母音が変化するので,最初に触れておきたいと思います。
幹母音 e
幹母音が e の動詞は,現在形でも主語によって母音が変化します。主語が二人称単数親称 du,または三人称単数(er, es, sie など)のとき,長母音(eh も含む)ならば ie, 短母音ならば e になります。例えば,
sprechen「話す」は
du sprichst, er spricht
empfehlen「勧める」は
のようになります。
以下の分類で分かる通り,過去形・過去分詞の変化は母音の長短でパターンが分かれるわけではないようです。主なパターンは3つあります。
①e-a-o
befehlen「命令する」 befehlen-befahl-befohlen
bergen「救う」 bergen-barg-geborgen
bersten「割れる」 bersten-barst-geborsten
brechen「折る」 brechen-brach-gebrochen
empfehlen「勧める」 empfehlen-empfahl-empfohlen
erschrecken「驚く」 erschrecken-erschrack-erschrocken
gelten「価値がある」 gelten-galt-gegolten
helfen「助ける」 helfen-half-geholfen
nehmen「取る」 nehmen-nahm-genommen☆
schelten「叱る」 schelten-schalt-gescholten
sprechen「話す」 sprechen-sprach-gesprochen
stechen「刺す」 stechen-stach-gestochen
stehlen「盗む」 stehlen-stahl-gestohlen
sterben「死ぬ」 sterben-starb-gestorben
treffen「当たる」 treffen-traff-getroffen
verderben「腐る」 verderben-verdarb-verdorben
werben「宣伝する」 werben-warb-geworben
werfen「投げる」 werfen-warf-geworfen
発音の補足しておくと,過去形の母音 a の長短は,基本的に後に続く子音に従い,1つならば長母音「アー」,2つ以上ならば短母音「ア」になります。が,子音が1つのものはありませんね。注意が必要なのが,子音が2つあるのに長母音になるものです。
まず -ah ですが,h に前の母音を長くする役割があるので,その役割通り発音すればよいです(例: empfahl「エンプファール」)。そのほか, -ach も a は長母音になります(例:brach「ブラーハ」)。なお ch は現在形では硬口蓋の方の発音「ヒ」(ich-laut)ですが,過去形は母音が a なので軟口蓋のほうの発音「ハ」(ach-laut)になります。過去分詞も o なので ach-laut です。
もうひとつ,nehmen の過去分詞が genommen という形になるので注意が必要です。 genohmen にはならずに,o 単独となり,短母音なので m が二重になります。
※幹母音が e ではないのですが,gebären「産む」も
と ○-a-o と変化します。幹母音が ä の動詞はめったになく,発音も e とほぼ同じなので,ここに含めておきます。
②e-a-e
過去分詞が現在形と同じ母音になります。ということは,前綴りが付いている動詞では,現在形と全く同じ形になります。
essen「食べる」 essen-aß-gegessen
fressen「食べる」 fressen-fraß-gefressen
geben「与える」 geben-gab-gegeben
genesen「直る」 genesen-genas-genesen ※冒頭に述べたような現在形での母音変化をしません。
geschehen「起こる」 geschehen-geschah-geschehen
lesen「読む」 lesen-las-gelesen
messen「計る」 messen-maß-gemessen
sehen「見る」 sehen-sah-gesehen
treten「入る」 treten-trat-getreten
vergessen「忘れる」 vergessen-vergaß-vergessen
-essen の動詞が過去形で -aß になっていることからわかるように,このパターンでは過去形の母音 a はすべて長母音になります。①と比べると,幹母音の後の子音が1つのものが並んでいますね。
※ここでも例外を1つ。schrecken「急に冷める」という動詞です。
schrecken-schrack-geschreckt
母音変化は e-a-e ですが,過去分詞が規則動詞のように -t で終わっています。過去形,過去分詞のどちらを例外扱いとするかで扱いが変わるので中途半端ですが,一応ここに含めておきます。
③e-o-o
過去形と過去分子の母音が同じなので,過去形に ge-en をつければ過去分詞のできあがりです。
なお,bewegen, heben, scheren の3つは,冒頭で述べたような主語による現在形の母音変化は起こりません。
bewegen「~の気にさせる」 bewegen-bewog-bewogen
dreschen「脱穀する」 dreschen-drosch-gedroschen
fechten「フェンシングをする」fechten-focht-gefochten
flechten「編む」 flechten-flocht-geflochten
heben「持ちあげる」 heben-hob-gehoben
quellen「湧き出る」 quellen-quoll-gequollen
scheren「刈る」 scheren-schor-geschoren
schmelzen「溶ける」 schmelzen-schmolz-geschmolzen
schwellen「膨れる」schwellen-schwoll-geschwollen
※幹母音が異なりますが,次の2つも含めておきます。
gären「発酵する」 gären-gor-gegoren
schwören「誓う」schwören-schwor-geschworen
以上3つのパターンがありましたが,見分ける方法はあるのでしょうか。まず,①e-a-o と変化する動詞は,すべて幹母音 e の発音が短母音「エ」です。stehlen など h があるせいで実質長母音「エー」となっているものもありますが,いずれも e の後の子音が2つ以上あるものがここに分類されています。すなわち,現在形の母音変化で i となるものです。
それに対して,②e-a-e になるのは,上でも触れたように,-ssen または e の後の子音が1つで長母音「エー」と発音されるものです。-ssen を除き,現在形の母音変化で ie となるものです。
③e-o-o となるものは e が長短いずれのものも含まれるので,見分けるのは難しいです。しかし,長母音になる bewegen, heben, scheren は,どれも「現在形で母音変化をしない」ものになっています。
以上の考察をまとめると,分類については次のようにまとめられます。
幹母音 e の変化パターンの分類
・-ssen または幹母音 e が長母音でかつ現在形の母音変化を起こすものは,②e-a-e の変化になる。
・幹母音 e が長母音で,現在形の変化を起こさないもの,または e が短母音で -chten, -llen, -lzen, -schen のものは,③e-o-o の変化になる。
・その他,幹母音 e が短母音のものは,①e-a-o の変化になる。
幹母音 a
e の時と同じように,現在形でも主語によって母音変化が起きます。 二人称単数親称,三人称単数のときに a がウムラウトし ä となります。
例:fahren「乗って行く」は
du fährst, er fährt
のようになります。
a を幹母音とする動詞は,総数に比べてパターンが多いです。パターンごとの規則性にはっきりしたものは見出せませんでした。また,a でなく au の二重母音が幹母音となっているものもあります。これも核となる母音は a なので,一緒に含めることにしました。
①a(au)-ie-a(au)
hauen は主語による現在形の母音変化は起こりません。
blasen「吹く」 blasen-blies-geblasen
braten「焼く」 braten-briet-gebraten
fallen「落ちる」 fallen-fiel-gefallen
halten「保つ」 halten-hiel-gehalten
hauen「打つ」 hauen-hieb-gehauen☆ちょっと特殊
lassen「させる」lassen-lies-gelassen
laufen「走る」 laufen-lief-gelaufen
raten「助言する」 raten-riet-geraten
schlafen「眠る」 schlafen-schlief-geschlafen
②a-i-a
fangen「捕らえる」 fangen-fing-gefangen
基本的にはこの1例のみです(派生として empfangen「受け取る」など)。
また,hängen「掛っている」も
hängen-hing-gehangen
と変化をしますので,ここに入れておきます。変化以上に注意が必要なのが,この動詞,他動詞として「掛ける」という意味でも使えます。ただしそのときは,規則変化をします。
自動詞の例文:
Das bild hing an der Wand. / Das bild hat and der Wand gehangen.
「その絵は壁にかかっている」
他動詞の例文:
Er hängte das bild an die Wand. / Er hat das bild an die Wand gehängt.
「彼はその絵を壁にかけた」
③a(au)-o-o
saufen 以外は主語による現在形の母音変化は起こりません。
erschallen「鳴り響く」 erschallen-erschollen-erschollen
saufen「飲む」 saufen-soffen-gesofen
saugen「吸う」 saugen-sog-gesogen
これもウムラウト版として,wägen「じっくり考える」があり
wägen-wog-gewogen
と変化します。
④a-u-a
fahren「乗り物で行く」 fahren-fuhr-gefahren
graben「掘る」 graben-grub-gegraben
laden「積む」 laden-lud-geladen
schaffen「創造する」 schaffen-schuf-geschaffen
schlagen「打つ」 schlagen-schlug-geschlagen
tragen「運ぶ」 tragen-trug-getragen
wachsen「成長する」 wachsen-wuchs-gewachsen
waschen「洗う」 waschen-wusch-gewaschen
例外はありませんが,schaffen に注意です。上の不規則変化をするのは,「創造する」という意味のときで,「成し遂げる」という意味で用いるときは規則変化です。同音異義語とみたほうがよいでしょう。
例:
Ich schuf eine imaginäre Stadt. / Ich habe eine imaginäre Stadt geschaffen.
「私は架空の都市を創作した」
Sie schafften die Arbeit endlich. / Sie haben die Arbeit endlich geschafft.
「彼らはようやく仕事をなし終えた」
以上の4パターンは語尾によって見分けることができそうなのですが(例えば,-ten は ①a-ie-a,-schen は ④a-u-a など),それぞれ該当する動詞が少ないので,それほど意味はないと思います。いちおう,以下にパターンごとの語尾をまとめておきます。
①a-ie-a
-fen, -llen, -lten, -sen, -ssen, -ten
②a-i-a
-ngen
③a-o-o
④a-u-a
-ben, -chsen, -den, -ffen, -gen, -(h)ren, -schen
①と③で -llen が重複していますが,それぞれ ①fallen ③erschallen のみなので,そのまま覚えちゃうのがいいです。
これでひと通りパターンを出しつくしました。次回は,これまでのまとめと,パターンから漏れたものや混合型変化のものなどをまとめていきます。
ドイツ語の不規則動詞を整理してみる vol.2【幹母音 ie, i】
今回は幹母音が ie の動詞と i の動詞をまとめていきます。
幹母音 ie
ei のときと紛らわしいですが,「イー」の発音です。これは,ie-o-o という1種類の変化しかありません。
ie-o-o
bieten「提供する」 bieten-bot-geboten
biegen「曲がる」 biegen-bog-gebogen
fliegen「飛ぶ」 fliegen-flog-geflogen
fliehen「逃げる」 fliehen-floh-geflohen
fließen「流れる」 fließen-floss-geflossen
frieren「凍える」frieren-fror-gefroren
genießen「享受する」genießen-genoss-genossen
gießen「注ぐ」gießen-goss-gegossen
kiesen「選ぶ」kiesen-kor-gekoren ☆ちょっと特殊
kriechen「這う」kriechen-kroch-gekrochen
riechen「匂う」riechen-roch-gerochen
schieben「押す」schieben-schob-geschoben
schießen「撃つ」schießen-schoss-geschossen
schließen「閉める」schließen-schloss-geschlossen
sieden「沸騰する」sieden-sott-gesotten
sprießen「発芽する」sprießen-spross-gesprossen
stieben「飛び散る」stieben-stob-gestoben
verdrießen「不愉快にする」verdrießen-verdross-verdrossen
verlieren「なくす」verlieren-verlor-verloren
wiegen「の重さである」wiegen-wog-gewogen
ziehen「引く」ziehen-zog-gezogen
幹母音の後の子音が二重のとき(ß または ch),過去形・過去分詞の o の発音は短母音オになります。そのほかは長母音オーです。ゆえに ß は ss と変化しています。また,d のときは tt となり,これも短母音になっています。ei の②のパターンに似ていますね。
ひとつ例外を挙げておきます。
liegen「置いてある,横になっている」
これは liegen-lag-gelegen という変化です。以前記事にしたセンター試験でも出題されています。この liegen は自動詞ですが,これに対応する他動詞として legen「横にする」があります。これは規則的に,legen-legte-gelegt と変化します。
同じく自動詞・他動詞のペアで有名なのが,sitzen/setzen「座っている/座らせる」です。これも他動詞は setzen-setzte-gesetzt と規則変化をします。自動詞のほうは sitzen-saß-gesessen という変化です。この liegen と sitzen はどちらも ○-a-e という変化のパターンなので,幹母音で分類せずにペアごと覚えるのがよいでしょう。
幹母音 i
①i-a-o と②i-a-u の2パターンの変化があります。
① i-a-o
beginnen「始まる」 beginnen-begann-begonnen
gewinnen「獲得する」 gewinnen-gewann-gewonnen
rinnen「流れる」 rinnen-rann-geronnen
schwimmen「泳ぐ」 schwimmen-schwamm-geschwommen
sinnen「思案する」 sinnen-sann-gessonen
spinnen「紡ぐ」 spinnen-spann-gesponnen
② i-a-u
英語にも同じパターンがありますが,ドイツ語ではほぼローマ字通りの発音をします。
binden「結ぶ」binden-band-gebunden
dringen「押し進む」 dringen-drang-gedrungen
finden「見つける」 finden-fand-gefunden
klingen「鳴る」 klingen-klang-gelkungen
ringen「格闘する」 ringen-rang-gerungen
schlingen「絡ませる」 schlingen-schlang-geschrungen
schwinden「消える」 schwinden-schwand-geschwunden
schwingen「振る」 schwingen-schwang-geschwungen
singen「歌う」 singen-sang-gesungen
sinken「沈む」 sinken-sank-gesunken
springen「跳ぶ」 springen-sprang-gesprungen
stinken「臭う」 stinken-stank-gestunken
winden「巻く」 winden-wand-gewunden
wringen「絞る」 wringen-wrang-gewrungen
zwingen「強制する」 zwingen-zwang-gezwungen
この2パターンは,かなり規則性がはっきりしているように見えます。①の動詞は幹母音のあとが -nnen または -mmen です。②は -nden, -nken, -ngen という形になっています。もともと幹母音が i である動詞にはこの形しかないのですね。「イー」と長母音になると,i ではなく ie という綴りが使われるので,基本的に i+単子音 という形にはならないようです。
まとめておくと,
幹母音が i の不規則動詞のパターン
幹母音 i の後が -nnen または -mmen であれば,①i-a-o の変化になる。
幹母音 i の後が -nden,-nken, -ngen であれば, ②i-a-u となる。
このパターンにも例外があります。どのパターンにも例外なく例外があるのです。
bitten「頼む」 bitten-bat-gebeten
sitzen「座っている」 sitzen-saß-gesessen
sitzen は前項でも紹介しました。bitten は頻繁に使われる bitte の動詞型です。liegen と合わせて,この3つは幹母音の分類で扱うより,○-a-e という例外パターンとして扱うのがよさそうです。いずれも日常ではよく使われる動詞です。よく使われるものほど不規則度合いも高い傾向にあります(sein とか haben など)。
(メジャーな)分類に当てはまらない動詞 ○-a-e
bitten「頼む」 bitten-bat-gebeten
sitzen「座っている」 sitzen-saß-gesessen
liegen「置いてある,横になっている」 liegen-lag-gelegen
もうひとつ,
klimmen「よじ登る」 klimmen-klomm-geklommen
というものがあります。i-o-o という変化です。過去形が klamm にならないところが例外です。実は動詞で Klamm「渓谷」という語があるのですが,語義が同じような気がします(確かではありませんが)。素直に考えれば英語の climb ですよね。
今回は発音の似ている ie と i をまとめてみました。これで半分くらい整理できたでしょうか。