鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷの旅2010 2日目

<2日目>

2010年10月7日(木)

 前回と同じく名古屋駅太閤通口のマクドナルドで朝マックをして,豊橋へ向かいます。通勤の時間帯なので車内はかなり混雑。蒲郡まで立ちっぱなしでした。
 豊橋からいよいよ飯田線に乗車です。新城駅を過ぎたあたりからは,だいぶ山も深くなってきますが,JRの地方線にしては駅の間隔が比較的短く集落ごとに駅があるのと,あまり勾配がないのもあって,全国切ってのローカル線らしさはまだ感じられません。
 単線のため,途中いくつかの駅で行き違いの停車をします。行き違い設備のある駅も限られているので,20分ほど停車する場合も何度かありました。静岡県に入ると,トンネルの後しばらく駅が短い間隔で現れます。中部天竜駅で30分近く停車。かつてこの駅に隣接して「佐久間レールパーク」という鉄道の博物館があったのですが,残念ながら最近閉館したそうです。時間もあったのでもし営業していたら寄っていこうと思ったのに。

 佐久間駅を過ぎると,次第に山奥っぽくなってきます。この先はほとんどトンネル区間ですが,城西駅を出てしばらくすると,飯田線の重要スポットのひとつが現れます。


 第6水窪川橋梁という通称「渡らずの橋」です。写真からだと分かりにくいのですが,この橋は川をまたいで対岸へ渡るルートにはなっておらず,川を渡ったかと思うとそのままカーブしてもとの岸の側へ戻る形になっています。そもそもこの区間佐久間ダム建設の際,水没する区間に代わって新しく施設された経路で,もともとは左岸の山(下の写真右手の山)をトンネルで抜けていました。ところが,山が滑りやすい地質だったため,やむなくトンネルを放棄し,さらに山崩れに備えて危険を回避するために,このような川を迂回する線形となったようです。その先のトンネルも運用はしているものの,本来の経路につなげる形になったため,入口がY字型になっているようです(列車の速度が速く確認できませんでしたが)。

 この先もトンネルが続きます。水窪(みさくぼ)駅を過ぎると大きく西へ曲がり,大嵐(おおぞれ)駅からは天竜川に沿って左岸を北上します。大嵐駅もかなりの秘境駅で,静岡県にあるものの日常的な利用者の大半は川向こうの愛知県の人々という状態です。大嵐を過ぎるといよいよ静岡県最後の駅,小和田です。停車時間が短かったのでホームには降りられませんでしたが,ホーム中ほどには,静岡県,愛知県,長野県の境界を示す標が建てられています(実際の境界は天竜川の上です)。発車直後に見つけたものの,駅標を撮影した携帯電話が保存処理中で間に合わず撮ることができませんでした。代わりに3県の境界線がぶつかる地点付近の景色です。


 小和田駅を出てすぐのトンネルを抜けると,長野県です。そういえば静岡県部分はすべて浜松市なのでした。こんな山奥でも一応政令指定都市なんです。

 長野県に入ってからも,秘境ムードが続きます。左手には天竜川,右手は山の斜面という状態にもかかわらず駅がけっこう存在します。とくに田本駅は断崖絶壁にホームがあっておもしろいです。寝ていたのであまり覚えていませんが。

 正午を回った頃,天竜峡駅に到着です。次の電車は25分後に来るのですが,昼食の時間なので見送って次の電車に乗る事に。それでもこの先松本で同じ電車になるので,天竜峡で1時間ばかりのんびりと過ごします。
 

 駅の近くの店でざるそばを食べました。間取りからして夜の居酒屋が本業っぽい店でした。ご飯の後は,姑射橋付近をひと歩き。渓谷は渓谷でも,人を寄せ付けないような断崖絶壁ではなく,昔から人々の生活のすぐそばにあった感じが伝わってきます。資料館もあって,写真を通して昔の様子をうかがうこともできます。


 船下りもあって,乗船場そばには足湯も。船の形をした浴槽に信州リンゴが浮かべてあるリンゴ風呂でした。ここでタオルを濡らすと始末が面倒だったので入らず。

 天竜峡を後にし,再び飯田線を北上します。次のポイントとしては,飯田市街地を大きく迂回するために,電車と人間が競争できる,いわゆる「下山村ダッシュ」です。下山村駅を降りて伊那上郷駅前の約2キロの距離を徒歩で(といっても走らないとたいてい間に合わない)連絡し,同じ電車に乗るというやつです。この電車は飯田駅で30分弱の停車があったので歩いても余裕で遂行できたのですが,飯田線を(電車で)走破したかったのと,途中で幼稚園児約100名が乗ってきて飯田線とは思えないほどの乗車率であったこともあり決行はしませんでした。
 駒ヶ根付近は,南アルプスが一番映える地点だそうで,車内にもパノラマ写真が掲示されていました。


 
 それからしばらくは居眠りしてしまい,気が付いたら辰野駅に近づいていました。辰野で飯田線は走破完了です。この電車は岡谷まで行って中央本線と連絡するので,もう少し乗り続けます。辰野からはJR東海に代わりJR東日本の管轄なので,たった2駅ですが乗務員交代です。
 岡谷駅の直前で中央自動車道の下をくぐりますが,岡谷ジャンクションって意外と高い所にあるんですね。高速道路の方は10年ほど前に通ったことがありますが,確かに諏訪湖が一望できるようなロケーションだった気がします。
 岡谷駅では3分の乗り換えでしたが特に急ぐこともなく。ここまで来ると同じく乗り換えする人や,諏訪方面から乗ってくる乗客も結構多かったです。
 岡谷からは日が暮れてきたので信州の雄大な景色をあまり味わえませんでした。せめて絶景駅といわれる姨捨駅からの夜景を見ようとは思ったのですが,松本からはほぼ満員でそんな余裕もありませんでした。車窓から街の明かりが目下に広がっている景色が見えたので,夜景であってもじっくり見られたら良かったなぁと思います。

 篠ノ井駅でひとまずJR線は終わりです。ここからは目的地上田に向かうため,しなの鉄道に経営分離したルートを進みます。
 30分ほどして,上田駅に到着。駅の階段を下りると早速鳥肌立っちゃいました。いました。ケンジくんのアバター。駅を出るとバス乗り場のところに戦国BASARA(こっちは別にどうでもいい)に並んでサマーウォーズの幕が飾られています。


 食事しようと駅周辺を歩きまわるも結局どこにも入らず。近くにガストがあるのは分かっていたのですが,温泉にも入りたかったのでそちらを優先する事に。温泉施設の食堂で何か食べることにしたのですが...。

 別所線に乗って終着地の別所温泉駅に向かいます。発車ベルがあれなんです,サマーウォーズのEDです。山下達郎です。涙腺がやばいです。

 別所線には帰宅する住民の方々が十数人乗っている程度でした。途中でほとんど降りてしまい,別所温泉駅に着くころには運転士さんと二人きりでした。


 別所温泉駅から徒歩1分で,あいそめの湯に到着です。遅い時間でしたがまだちらほらお客さんがいました。さて風呂の前に軽く食事,と思ったら,食堂も売店ももう閉まっていました。時間が時間なので。身体の方は覚悟を決めたようで,電車の中で食べたおにぎりを頼りにしばらく我慢してくれました。
 お風呂の方はあまり広くはありませんでしたが,ゆっくりと浸かる事ができました。昨日は必要以上に歩いてしまったので足を念入りに休めます。電車の中でも,状況が許せばなるべく靴を脱いでリラックスさせた方がいいのを何回か旅をする中で学んだので,実践しています。それでも足の裏のところどころ皮膚が硬くなって少々痛むんですけどね。

 閉館時間ぎりぎりまでくつろいで,空腹しのぎと風呂上がりの一杯を兼ねてCCレモンを飲み,帰りも別所線に乗って再び上田駅へ。帰りの電車はさらに閑散としていて,しばらくまた運転士と二人きりでした。途中で地元のお兄さんやおばさん二人組が乗ってきましたが,みんな上田までに降りてしまって,終点ではまた二人だけ。別所線も経営が苦しいようですが,なんとか頑張って続いてほしいと思います。
 まぁ少しでも力になれればと,サマーウォーズの記念切符買っちゃいました。いやそんな善行ぶらなくたって買っていましたとも。

 上田駅からは,30分ほど歩いて本日の宿泊地(またネットカフェですが)へ向かいます。宿泊施設は駅前にあった方が便利なので,旅のときはなるべくそういうところに泊まれるように計画はしているのですが,どうしても上田に泊まりたかった気持ちに比べれば,30分歩くことなどどうってことないのです。
 郊外のネットカフェということもあって,結構広くて設備もよかったです。もちろんブースはフラットマットで。明日の朝は市内観光です。今日はここまで。<旅程詳細>
名古屋6:59---(JR東海道本線)---7:56豊橋8:12---(JR飯田線)---12:10天竜峡13:22---(JR飯田線)---17:00岡谷17:03---(JR中央本線)---17:31松本17:34---(JR篠ノ井線)---18:37篠ノ井18:54---(しなの鉄道 \560)---19:22上田20:04---(上田電鉄別所線※)---20:34別所温泉21:51---(上田電鉄別所線※)---22:20上田  (※別所線は上田〜別所温泉間\570 別所線往復とあいそめの湯入館料(\500)込みのあいそめ湯ったりきっぷ\1,300)<取得したDoCoMo iエリア(重複除く)>
天竜/北遠,伊那/天竜峡,長野,上田/菅平