鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷの旅2010 3日目

<3日目>

2010年10月8日(金)

 上田市郊外のネットカフェを朝7時ころに出て,上田駅へと歩きます。昨日の夜に歩いた道が一番わかりやすかったのですが,少し外れて住宅街の中の道を散策。
 15分ほど歩くと大通りに出て,右手にイオンショッピングセンターが現れたので駅までもう少し,と思いながらもなかなか見えてきません。Googleマップで現在地を確認すると,駅とは逆方向に歩いていたことが判明。頭の中にインプットした地図での自分の現在地よりも,早く進んでいたようです。ネットカフェを出て「直進,左折,右折」でアバウトなりにも駅の方へ向かえるはずたったのが,自分の中では左折するポイントを通過しないまま,すでに右折ポイントに到達していた模様。そこで左折したために逆方向へ向かっていたのでした。確かに,イオンは左手に見えていなければいけません。

 予定より若干遅くなったものの上田駅前に到着。駅前のマクドナルドで2日続けての朝マックをして,上田城へ向かいます。
 駅は千曲川のほとりにあって,城へは上り坂になっています。10分ほどで,上田城跡公園に到着です。じっくりと回りたいところですが,この後のメインイベントと電車の時間の都合により,今回は手短に。

 お堀に架けられた橋の上から東虎口櫓門を臨みます。これぞまさしく,サマーウォーズに登場する陣内家の門のモチーフですね。
 櫓門をくぐると面前には真田神社,左手には本丸南櫓への階段があります。そこから千曲川と上田の街を眺めながら,信州らしいすがすがしい朝の空気に浸ります。


 公園東口を出て,交差点を挟んですぐ向かいにある建物が,上田市観光会館です。売店はまだ開いていませんでしたが,2階の観光課の方はすでに業務が始まっていたので,お邪魔しました。

 


 とまぁここが上田に訪れた最大の目的を果たす場所なのであります。階段を上って室内に入ると,昨日の夜駅前でもお会いしたケンジくんのリスのアバターが目に飛び込んできます。上田は由緒ある街ですし,今日でもいろいろなドラマや映画のロケ地になっているので,たくさんの観光案内が展示されているのですが,ありましたありました,サマーウォーズの特設コーナーです。
 パンフレットから花札スタンプ,なんとアフレコの台本まで置いてあります。ページをめくると覚えのあるセリフばかりで,ひとつひとつのシーンが蘇ります。壁には主人公の賢二とヒロインの夏希の声を担当した神木隆之介くんと桜庭ななみさんのサインも飾られています。

 そしてそして,ここには全国から訪れたサマーウォーズファンにより綴られる,その名も「聖地巡礼ノート」があります。早速職員の方からお借りして,自分も記帳させていただきました。
 なんと映画公開1年余りにしてすでに5冊目に突入しています。表紙には細田監督直々のイラストが描かれています。電車の時間を気にしながらも1冊目から大量のコメントとイラストを拝見。イラストがどれも上手すぎて感服。そういえば職員の方からノートと一緒にボールペンをお借りしたとき,「絵を描くなら,鉛筆の方がいいですか」と聞かれたのでした。いえいえ自分には絵心などございませんので,せめて文章だけでも書きしたためさせてくださいませっ!ということで,上田に来て感じた事をそのままつらつらと4,5行ばかり書きつけたのでした。


 ああ,この気持ち。3月の旅の時にもくどいほど書きましたが,これですね,"2度目"の経験や気持ち。去年の夏に映画を見たときに感じたあのあったかい気持ちと同じです。
 にやつきたいのを抑えながら観光会館をあとにして,駅へ向かいます。途中で上田市役所があったので少し訪問。ここにも,正面から入って左手に,サマーウォーズ関連の品(細田監督のイラストやさきの二人のサイン)が展示されています。
 

 
 上田の街をなごり惜しみながら,駅への坂を下ります。駅で「峠の釜めし」を購入。中身はお昼までのお楽しみ。上田を出発した後は,またしばらく列車旅です。しなの鉄道で小諸まで行って,ここからはJR路線で最高所を走る小海線を走破します。

 今回乗る車両は,世界で初めてハイブリッドシステムを採用したキハE200形です。
 千曲川に沿ってどんどんと標高を上げて走っていくと,ついにJR線で一番標高の高い駅,野辺山駅に到着です。ここでは電車のすれ違いにより十分な停車時間があったので,余裕をもって標高1,345メートルを体感できました。


 野辺山駅を出てしばらくすると,線路沿いに緑の屋根のロッジハウスが見える踏切にさしかかります。ここがJR路線の最高地点(1,375メートル)です。容赦なくスピードを上げる列車に加えて,沿線に茫々と茂る草のおかげで,あまりいい写真を撮れませんでした。

 この地点を過ぎて川を渡ると,いよいよ山梨県です。長野県側よりも急な勾配で高原を下っていきます。
 野辺山駅ですれ違い列車が遅れていたため,この列車も終点小淵沢駅に遅れての到着となりました。接続の列車が待っていてくれたので,何とか予定通りに旅を進める事が出来ます。小淵沢からは中央本線で東へ向かいます。ほとんどの客が同じ乗り換えだったので,どこぞの駅の通勤ラッシュみたいでしたね。

 甲府までの間に,上田で買った峠の釜めしを賞味。醤油の効いたご飯と色とりどりの具材が食欲をそそります。ちなみに,この釜めしに使われている益子焼の釜を使って,実際にご飯を1合炊くことができます。炊飯器と違っておこげが楽しめるので今度試してみようかと思います。

 13時過ぎには甲府に到着したのですが,上田に長く居たい気持ちを振り切ってまでこんな旅程にしたのは,「身延線周辺」エリアを取得するためです。ここからは身延線に乗り換えて少し寄り道です。

 30分ほどして,甲斐上野(かいうえの)駅に到着。この駅,発音してみるとわかると思うのですが,母音が「あいうえお」になっています。こういう例は全国でもこの駅だけだそうです。なんとなく面白かったのでこの駅で降りてみました。ここからまた甲府へ引き返すのですが,逆方向の電車まで30分ほどあったので,近くにある歌舞伎文化公園を散策することにしました。ちなみに駅前に自販機があるのですが,通常より安く購入でき,ペットボトルでも100円なのでお得です。


 甲府へ戻った後は東京までまっすぐ帰ります。たいてい西へ出かけたときは中央本線で帰ってくるので,甲府から新宿まではすっかりおなじみの風景になってしまいました。途中で曾祖父の実家にある勝沼ぶどう郷駅を通るので機会があれば途中下車してみたいのですが,今回はスルーです。実は今回甲府から乗った立川行きの電車の前に,大月止まりの電車があったのです。大月で一緒になるんだったら,ということで初めから次の電車に乗りました。しかし考えてみれば,大月行の電車に乗って大月で次の電車を待たなくても,手前の勝沼ぶどう郷で降りて電車待ちの時間で散策できたのですね。まぁそこまでして勝沼に訪れる事もないのですが,チャンスがあっただけに少し悔やまれます。

 立川で乗り換えて,18時に新宿に到着です。金曜の夕方というのもあってかなり混んでいました。身延線を走破して東海道線で横浜に帰ってもよかったのですが,なんとなく東京に来たかったので今回のようなルートで。
 ちょうどwassrの知り合いからお声がかかったので,数寄屋橋で落ちあってから帰路に着きました。今回の旅はもとはといえばエリア取得などという不純な動機から始まったものでしたが,計画を立てていく中で,伊豆周遊や飯田線走破など,かなり旅らしい内容になったのではないかと思います。

 今年1年何回か旅をするうちに,お金や時間に加えて,自分の気持ちや行動力も旅を価値あるものにする上で大事だなというのが実感できるようになりました。単調な毎日に刺激を与えるための旅,というよりは,もうできるときにしておけ!という感じですね。なのでここ最近常に旅行欲は冷めません。そんなこともあって,できれば今年中にもう一度,18きっぷで大阪方面に行けたらいいななんて考えています。

 日光や北海道の旅記も近いうちに書きます。<旅程詳細>

上田9:30---(しなの鉄道線 \390)---9:50小諸9:58---(JR小海線)---12:24(5分ほど遅延)小淵沢12:29(3分ほど遅延)---(JR中央本線)---13:08甲府13:37---(JR身延線)---14:05甲斐上野14:35---(JR身延線)---15:09甲府15:31---(JR中央本線)---17:21立川17:28---(JR中央本線)---18:04新宿 (以降,高田馬場日本橋→銀座,有楽町→横浜)<取得したDoCoMo iエリア(重複除く)>

軽井沢/小諸,小海線沿線/八ヶ岳身延線周辺