2013年4月 東北を回ってきた 2日目

※この記事は2013年4月の旅行をまとめたものです。記事中の情報や画像に関する内容は当時のものであり,現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2013年4月10日(水) 2日目/2日

東北の旅2日目です。秋田駅を出て,岩手県に向かいます。鉄道で岩手県に出るルートは北から花輪線田沢湖線秋田新幹線),北上線とあるのですが,どれも未乗です。今回は平泉が目的地なので,最短ルートの北上線で行きます。

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春雨を集めて緩し 横手川

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奥羽本線で横手まで行き,北上線に乗り換えます。横手ではまだ路上に少し雪が残っています。北上線の車両を見ると,ドラゴンレール大船渡線のマークが付いていました。大船渡線といえば,一ノ関から宮城県気仙沼を通り,太平洋側へ抜ける路線です。車両自体はここまで運用されているのですね。

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岩手県に入ると湯田高原というリゾート地を抜けていきます。途中,「ほっとゆだ」駅に停車しました。この駅,温泉が併設されています。この列車はすれ違い停車で数分間停まっていたものの,温泉に入れるほど時間の余裕はありませんでした。

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北上に到着したら,東北本線に乗り換えて平泉まで行きます。接続があまり良くなく,1時間近くあったので駅の外を散策しました。この北上駅といえば,以前北海道へ向かう時に仙台駅で列車を逃し,やむなく新幹線でワープした際に降りた駅です。ここで予定していた普通列車に追いついたのでした。急ぎたければ新幹線で,ということなんですね。18きっぷを使っていると,実にお金と時間のトレードオフを感じさせられます。

通草(みちくさ)や 旅人どもが夢を見る

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平泉に到着したのが10時半ごろでした。世界遺産の玄関口というだけあって,駅標や駅舎も風情があります。本当はここから半日ゆっくりと観光してもよかったのですが,その後の予定もあったので,滞在時間はお昼をはさんで3時間ほどです。それでも,中尊寺を中心にチェックすべきスポットは回ってきました。

駅から中尊寺までは少し離れているので,バスに乗っていきます。途中,同じく世界遺産毛越寺(もうつうじ)や高館義経堂といった場所を経由するのですが,今回はなくなくパスです。

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バスが停まるのは中尊寺参道の入口です。武蔵坊弁慶の墓もありました。そこからは徒歩で山を登っていくことになります。中高年の方が多かったのですが,皆さん健脚ですね。私も見るべき場所はなるべくゆっくりと見たかったので,移動は早足です。

本堂までの山道は,月見坂と呼ばれています。藤原氏の栄枯を思わせる名称ですね。坂の途中から見下ろす景色からは,芭蕉の感じたそれと同じような儚さがうかがえます。

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坂を登りきると,いろいろと建物が見えてきました。ひとつひとつなんとか院とか,ほにゃらら堂と名前が出ていたと思うのですが,金色堂が有名すぎて覚えていられないですね。

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名前を存じないのは失敬でしたが,それにしても立派な造りです。極楽浄土を目指していた当時の清衡達は,どんな思いで見ていたのでしょうか。

寺院の一番奥の方まで行くと,いよいよ金色堂が見えてきます。

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中は撮影禁止です。様子を見たい方は「金色堂」で画像検索してください。よくテレビで見る感じだと,金色が眩しくキラキラ輝いている様子がイメージされますが,実際には最低限の照明で,ガラスケースの中に鎮座しています。かといって風格を損ねるわけでなく,むしろ映像で見るよりも荘厳さを増しています。壇内には奥州藤原3代のミイラが眠っているのですよね。心に語りかけてきそうな雰囲気でした。

見れば見るほどどこもかしこも精巧な造りで,よくぞ現代まで遺っていてくれたと感心させられます。美術品というよりは縄文時代の出土品とかを見ているような気分でした。何かを崇拝して作り上げたもの,というところで通じているのでしょうか。

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少し進むと,芭蕉さんと出会いました。妙に姿勢がいいですね。その先には,以前金色堂が納められていた覆堂があります。

 

霞城にて いづれの旅を石枕

お昼は平泉駅前のそば屋で山菜そばを食べて,1時半には出発しました。このまま東北本線を南下すれば,夜には横浜に戻れます。しかし,今回はまだ乗っておきたい路線があったので,さらに寄り道をします。

仙台到着後,仙山線に乗り換えて山形まで行きます。仙台と山形は隣接した県庁所在地として珍しい(他には京都市大津市)ですが,それをつなぐ仙山線乗りつぶしたことはありませんでした。隣接しているといっても,山を越えるので1時間ほどかかります。

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前に山形に来たのは北海道へ行く途中のことでした。1日目の宿泊地に予定していたのですが,駅前にあるはずのネットカフェが閉店していたのです。若さゆえにビジネスホテルに泊まるという選択をせず,路上のベンチで横になるという荒業をやってのけました。夏だったからよかったものの,今では体力的にも無理だと思います。

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上の写真がその時ベッドにした石のベンチです。2年半越しの再会,感慨深いですね。

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その後は米沢まで出て,米坂線乗りつぶします。ちょうど快速紅花号という列車が出ていました。ただし米坂線内は各駅停車です。新潟まで直通で,羽越線内で快速になります。

米坂線は米沢から新潟県坂町駅を結ぶ路線です。新潟まで3時間近くの乗車となるので,米沢で駅弁を買いました。米沢牛がたっぷり詰まったすき焼き弁当です。

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米沢を出てしばらくは帰宅の高校生であふれていたのですが,山間部に入ると乗客もまばらになったので,車内でいただきました。夜なので景色は見えませんが,列車に乗りながらの食事も旅の醍醐味です。

これまで折に触れて各地の駅弁を食べてきましたが,メインの食材はもちろん,付け合わせのおかずにそれぞれの地域の特色が出ていて楽しめます。今回はがんもどきや昆布巻きが入っていますね。紅しょうがも肉によくあいます。

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新潟に戻ってきました。出発地と終着地が同じというのは,自分の旅の中では珍しいパターンです。新潟からは来た時と同じように,夜行バスで新宿へ戻りました。

以上で今回の旅は終わりです。東北は広いので,路線はJR東日本管内でありながら,まだまだ乗車していない区間があります。ひとつひとつが長いのでなかなかまとまって乗るのも難しいのですが,また回ってみたいと思います。

 

【記録】(JR線は18きっぷ利用)

<行程>

秋田623---(奥羽本線・新庄行)---737横手744---(北上線)---903北上954---(東北本線・一ノ関行)---1026平泉(中尊寺観光)1331---(東北本線)---1340一ノ関1354---(東北本線・白石行)---1537仙台1545---(仙山線快速)1655山形1733---(奥羽本線)---1818米沢1829---(米坂線快速べにばな)---2120新潟2350---(夜行バス)---620新宿

 

<新規乗車区間

JR北上線 横手~北上 61.1 キロ〔完乗〕

JR仙山線 北仙台~羽前千歳 53.2 キロ〔完乗〕

JR米坂線 米沢~坂町 90.7 キロ〔完乗〕

JR線合計 205.0 キロ