数学

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその6【第5問】

数学 II・B も最終問題になりました。第 5 問「(確率分布と)統計(的な推測)」を解いていきます。前課程の「統計とコンピュータ」の頃から,数列やベクトルが全く手に負えなかったときの穴場のような扱われ方をしてきた面もある分野です。しかし今年の出…

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその5【第4問】

第 4 問「ベクトル」を解いていきます。今回は平面のみにとどまっていますが,他の問いと同様に確かな計算力が必要です。 実際の問題は下記を参照してください。 大学入試センター試験(2018年度) 問題・解答速報 - 毎日新聞 第 4 問 まずは与えられた条件…

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその4【第3問】

第 3 問からは数学 B の内容に入り,3 問中 2 問を選んで解くことになります。第 3 問が「数列」,第 4 問が「ベクトル」,第 5 問が「統計」です。 実際の問題は下記を参照してください。 大学入試センター試験(2018年度) 問題・解答速報 - 毎日新聞 第 3…

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその3【第2問】

第 2 問微積分です。計算量も多く,正確な計算力が求められます。 実際の問題は下記を参照してください。 大学入試センター試験(2018年度) 問題・解答速報 - 毎日新聞 第 2 問 〔1〕 主役の放物線は と,一般的な形です。 とあるので下に凸ということだけ…

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその2【第1問〔2〕】

関数後半です。今回は指数と対数の合わせ技で来ました。 問題は下記から参照してください。 大学入試センター試験(2018年度) 問題・解答速報 - 毎日新聞 第 1 問 〔2〕 主役の不等式は,c を正の定数として …② という式です。 「3 を底とする対数をとり, …

2018年センター試験 数学II・B を解いてみたその1【第1問〔1〕】

ドイツ語も済んだので,数学に戻って今度は IIB をやっていきたいと思います。IA と比べると単元がより専門的なこともあって,数学そのものを処理し,探究していくような問題が多いです。 問題は下記から参照してください。 大学入試センター試験(2018年度…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその9【第5問】

いよいよ最終回です。図形の単元です。内容としては平面図形・空間図形いずれも扱っているのですが,センター試験では平面図形の問題しか見たことがありません。でもそのうちオイラーの多面体定理とかをテーマに出題されそうな気もします(あまり探究的すぎ…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその8【第4問】

問題は下記を参照してください。 大学入試センター試験(2018年度) 問題・解答速報 - 毎日新聞 第 4 問「整数」です。これまでどのジャンルにも属していなかった感じの内容が,今回の指導要領で 1 つの独立した単元となった格好です。大学入試問題を見ると,…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその7【第3問】

第 3 問から出題内容は数学 A になります。第 3 問~第 5 問はそれぞれ「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」で,この中から 2 題を選択する形式です。順番通り今回は第 3 問「場合の数と確率」をやっていきます。問題は下記からどうぞ。 大学入試…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその6【第2問〔2〕(3)】

第2問(3)です。内容は興味深いのですが,時間と配点からいって,多くの受験生にとって「捨て問」になったのではないかと思います。前問の台形の問題もそうですが,センター試験には,よい題材が単なる難問として済まされてしまうきらいがあるように感じます…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその5【第2問〔2〕(1) (2)】

第2問後半,データの分析の内容です。 指導要領が現行のものになって,新たに数学Iに盛り込まれた単元ですが,確か今回で3回目の出題だったと思います。前2回は変量を変換した場合に相関係数はどうなるか(四則変換では変化しない,が答え)みたいな問題が出…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその4【第2問〔1〕】

第2問に入ります。前半が三角比,後半がデータの分析の内容で例年通りです。 〔1〕四角形の3辺と1本の対角線の長さが与えられています。ただcos∠ABCを求めるだけなら,△ABCに注目すれば十分です。3辺とも長さがわかっているので,余弦定理を使う定石パターン…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその3【第1問〔3〕】

第3回です。小問ひとつに記事ひとつのペースなので,先は長そうです。解くだけではなく解きながら考えたこととか,思いついたこととかをそのつど添えているので,ご了承ください。そういう意味では,もし需要があるとすれば試験を終えた受験生より,高1・2生…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその2【第1問〔2〕】

続いて第1問〔2〕 論理と集合の問題です。これはそれぞれ属する要素を確認して,まっとうにこなしていくのがよいと思います。 はじめに(1)です。 です。よって,(a) は誤,(b) は正です。 に属する要素として,1と5 があります。キは②が正解となります。 続…

2018年センター試験 数学I・A を解いてみたその1【第1問〔1〕】

お久しぶりです。数年ほったらかしていたら,いろいろと仕様が変わっていました。 感覚を取り戻しつつ,先日実施された大学入試センター試験の数学の問題を扱っていこうと思います。解答を導き出しながら,思ったことや考えたことなどを書き連ねていくつもり…

「普遍から特殊へ」というけれど

TeXをきれいに表示する方法を知ったのでバカの何とかみたいに使いまくったところ,数え切れないほどの外部リンクを多用してページの読み込み完了に時間がかかったり,ブラウザ等の環境によっては大変なことになるのでしばらく自重。 今回は前回の記事のテー…

パップスの中線定理の拡張に関するメモ

三角形がらみのある線分の長さを求める問題は,センター試験などでも頻繁に出題されるもののひとつですが,そこで知っておくとよい定理として,パップスの定理(中線定理)というものがあります。 において,辺の中点をとすると,次の式が成り立つ。 証明法…

マクローリン展開を用いたバーゼル問題の解法に関するメモ(その2)

前回の続きです。前回はの級数展開を求めました。 さて,バーゼル問題というのはイタリアの数学者Pietro Mengoli(1626〜1686)によって1644年に提起された問題です。「平方数の逆数を足し合わせていくといくらになるか」という問いです。すなわち次の無限級数…

マクローリン展開を用いたバーゼル問題の解法に関するメモ(その1)

まず,をマクローリン展開する。 の導関数はいずれものとき1になるから, (剰余項は0に収束するおなじみの形) が自然数のとき,この式は二項定理の展開式そのものである。が自然数でないときは無限級数となり,二項定理における指数を実数(実は複素数でも…

行列に関するメモ

ケーリー・ハミルトンの定理を用いた三角行列の乗の求め方 次の三角行列で対角成分がすべて等しいもの(とする)は固有値をただ1つだけもつ。すなわち,を満たすは重解となり,1つに決まる(行列式の値は対角成分となる)。このとき行列は重複度だけの個数の…

直方体の最長経路問題

先日次のような問題と出会ったので紹介します。ちなみに私は吉祥寺で2時間余り,その後も中央線に乗りながら神田まで考えたのですが明快な解答にたどり着けませんでした。 「下図のような辺の長さが1,1,2の直方体の一頂点にアリがいて面上を動き回るとき,ア…

積分のテクニック01

久しぶりにTeXの練習も兼ねてさくさくっと。ベタ打ちはすぐにできたがレイアウトに非常に困窮。 はてブに直接PDFを貼ることができないので,livedoor Wikiにリンクを貼ります。livedoor Wiki 積分のテクニック01 http://wiki.livedoor.jp/tak119/d/%c0%d1%ca…

(続き)任意の三角形は二等辺三角形である

前回の証明の欠陥ですが。 どうやら三角形の合同を証明する過程については間違いなさそうだし,どうやら最初の定義とか,〜が存在するってのを疑ってみるのが一番だと思います。 実際に二等辺三角形の場合を考えてみれば,∠Aの二等分線と辺BCの垂直二等分線…

任意の三角形は二等辺三角形である

初等幾何についての資料を探してたらこんなの見つけた。 定理:すべての三角形は二等辺三角形である。(証明)△ABCは任意の三角形とする。 ∠Aの二等分線と辺BCの垂直二等分線との交点をOとし,Oから辺BC,CA,ABにおろした垂線とその辺との交点をそれぞれP,Q,R…